対戦相手ではやりづらい、味方としては最高にやりやすかった選手
自分のプレースタイルも今まで出会った監督やコーチから受けた影響もありますし、一番は近くでプレーする選手たちがお手本というか、見て学ぶものは多かった。もちろん広島では、森﨑和さんや青くん(青山敏弘)からはたくさんのことを学ばせてもらったし、今も青くんの隣でプレーさせてもらっていて自分にとっては最高の環境です。
対戦相手でも凄いなと思う選手はいるのですが、ジュビロの時(※15~17年に所属)にチームメイトでもあった中村俊輔さんも本当に凄かった。やっぱり自分の間合いがあって、そこに簡単に飛び込めない、ボールを獲りに行けない。そうなると時間を作られてしまう。寄せないと良いパスや良いシュートが飛んでくるし、寄せれば簡単にはたかれて、周りの選手がスピードを上げていく。対戦相手だとやりづらいし、難しいという印象ですね。
逆に味方だとそういう技術を信じて走れる分、敵を引き付けてボールを渡してくれるからチャンスになりやすい。バイタルエリアでゴールに直結するプレーが多かったので、味方としては最高にやりやすかったです。
やっぱり攻撃面でも守備面でも両バイタルエリアで仕事をする回数が増えていくにつれ、明らかにそうした選手たちを見て成長した部分はあります。まだまだという部分も多いですが、これから成長する部分も含めて、さらに成長スピードというか、成長角度を上げていかなければいけない。
もちろん、代表にも1回だけでなく、これからも長く選ばれるような選手になっていきたいですし、そのためには自分自身が成長すると同時に、チームを上の順位に引っ張っていくことも重要。そのために自分がやるべきことを当たり前にすることはもちろん、できないことをできるようにプレーの幅を広げていきたいし、質を求めていきたい。その先にサッカー選手としての理想像があると感じています。
――◆――◆――
開幕からの負けなしが途切れた9節以降、広島は思うように勝点を積み上げられず苦境に陥っている。そうした状況を踏まえ、川辺にチーム事情について訊いた際に印象的だったのが、「周りも引き込んで、良いプレー、気持ちのこもったプレーをどんどん引き出したい。それが自分にとってもいいことだと思う」という言葉だ。
チームの中心軸として、強い責任感が感じられた。同時に、G大阪戦で披露した電光石火のカウンターのように、周囲とのつながりがより密接になれば自身のプレーもさらに鋭さを増す、と認識しているのだろう。
再招集された日本代表への熱い想いも口にした川辺。代表定着のためにもチームでの活躍は欠かせない。今後のパフォーマンスに注目していきたい。
※このシリーズ了
◆プロフィール
川辺 駿(かわべ・はやお)/1995年9月8日生まれ、広島県出身。178センチ・70キロ。A型。広島高陽FC―サンフレッチェ広島Jrユース―サンフレッチェ広島ユース―サンフレッチェ広島―ジュビロ磐田―広島。15年の磐田移籍がキャリアの転機となり、18年の広島復帰後は怪我なくタフに戦い続け、ボランチとして不可欠な主軸に成長した。昨季からはクラブレジェンドの森﨑和幸から継いだ「8番」を背負うチームの象徴だ。
取材・構成●長沼敏行(サッカーダイジェストWeb編集部)
対戦相手でも凄いなと思う選手はいるのですが、ジュビロの時(※15~17年に所属)にチームメイトでもあった中村俊輔さんも本当に凄かった。やっぱり自分の間合いがあって、そこに簡単に飛び込めない、ボールを獲りに行けない。そうなると時間を作られてしまう。寄せないと良いパスや良いシュートが飛んでくるし、寄せれば簡単にはたかれて、周りの選手がスピードを上げていく。対戦相手だとやりづらいし、難しいという印象ですね。
逆に味方だとそういう技術を信じて走れる分、敵を引き付けてボールを渡してくれるからチャンスになりやすい。バイタルエリアでゴールに直結するプレーが多かったので、味方としては最高にやりやすかったです。
やっぱり攻撃面でも守備面でも両バイタルエリアで仕事をする回数が増えていくにつれ、明らかにそうした選手たちを見て成長した部分はあります。まだまだという部分も多いですが、これから成長する部分も含めて、さらに成長スピードというか、成長角度を上げていかなければいけない。
もちろん、代表にも1回だけでなく、これからも長く選ばれるような選手になっていきたいですし、そのためには自分自身が成長すると同時に、チームを上の順位に引っ張っていくことも重要。そのために自分がやるべきことを当たり前にすることはもちろん、できないことをできるようにプレーの幅を広げていきたいし、質を求めていきたい。その先にサッカー選手としての理想像があると感じています。
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開幕からの負けなしが途切れた9節以降、広島は思うように勝点を積み上げられず苦境に陥っている。そうした状況を踏まえ、川辺にチーム事情について訊いた際に印象的だったのが、「周りも引き込んで、良いプレー、気持ちのこもったプレーをどんどん引き出したい。それが自分にとってもいいことだと思う」という言葉だ。
チームの中心軸として、強い責任感が感じられた。同時に、G大阪戦で披露した電光石火のカウンターのように、周囲とのつながりがより密接になれば自身のプレーもさらに鋭さを増す、と認識しているのだろう。
再招集された日本代表への熱い想いも口にした川辺。代表定着のためにもチームでの活躍は欠かせない。今後のパフォーマンスに注目していきたい。
※このシリーズ了
◆プロフィール
川辺 駿(かわべ・はやお)/1995年9月8日生まれ、広島県出身。178センチ・70キロ。A型。広島高陽FC―サンフレッチェ広島Jrユース―サンフレッチェ広島ユース―サンフレッチェ広島―ジュビロ磐田―広島。15年の磐田移籍がキャリアの転機となり、18年の広島復帰後は怪我なくタフに戦い続け、ボランチとして不可欠な主軸に成長した。昨季からはクラブレジェンドの森﨑和幸から継いだ「8番」を背負うチームの象徴だ。
取材・構成●長沼敏行(サッカーダイジェストWeb編集部)