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「みんなミスをしたくないんだと思う」福岡スウェーデン人DFが母国に伝えた日本サッカーと日本社会

カテゴリ:Jリーグ

サッカーダイジェストWeb編集部

2021年05月16日

「身体じゅうが震えた」という日本での試合は…

広島時代のサロモンソン。前半戦は好調な滑り出しを見せたが、後半戦は負傷離脱を境に苦戦を強いられた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 広島と言えば、僕は歴史にとても興味があるんだ。特に第二次世界大戦にね。だから広島という地名を聞くだけでいつも力強い響きが感じられた。広島のような都市を代表できたことを光栄に思っている。

 原爆が落とされたのは8月6日。サンフレッチェでは、8月6日直近のホームゲームでは必ずセレモニーが行なわれるんだ。僕が在籍していた年は札幌と対戦した。キックオフ前には、両チームのキャプテンが宣言をしたんだ。その時は、身体中が震えたよ……。僕自身のキャリアにおいて最も誇りを感じた試合は、スウェーデンのフル代表としてデビューした時、そしてこのピースマッチかな。その時に着用したユニホームの背番号は86。8月6日を意味する数字だ。ユニホームはスウェーデンに持って帰った。今は実家の両親の部屋にあるよ。

 日本での1年目の経験はとてもポジティブなものだったけど、シーズン終盤になっても僕は定位置を取り返せずにいた。その時、こう自問自答した。
「厳しい状況が続いているけど、あと1年ここでプレーするか? どうすべきか?」

 シーズンが終わって休暇に入った時点で、あと1年日本でプレーしたいとほぼ心に決めていたけど、どうなるかはっきり分からなかった。
 
 あれは、ガールフレンドと一緒にマデイラ島のフンシャルで貝料理に舌鼓を打っている時だった。代理人のカール・ファゲルから電話があって、アビスパ福岡が期限付きの獲得に関心があると話してくれたんだ。アビスパは2部リーグで散々なシーズンを送ったということを僕は知っていた(※2019年は16位)。それでもチームとしては、本格的に力を入れてもう一度昇格したいということだった。ガールフレンドが日本を訪ねてくれた時に2人で福岡に行ったことがあったんだけど、良い印象を抱いたよ。居心地が良くてインターナショナルな都市だと思った。僕たちは「ここでやっていこう! 新しい場所でこれまでとは別の旅を始めよう」と感じたんだ。

 ガールフレンドは2020年の前半まで僕と一緒に日本で生活することになっていたんだ。そしてそのことに僕は救われた。1試合だけプレーして、それからコロナが拡大して何もかもが休止されてしまったんだからね。福岡には「緊急事態宣言」が発令されて、サッカーに関するあらゆる活動が6週間にわたって休止されてしまった。

 幸いなことに、緊急事態宣言が出されてからも外出は好きなだけ許可されていた。そこで僕はガールフレンドと一緒に新しい趣味を見つけた。ハイキングを始めて、山を登ったんだ。広島でプレーしていた時は2人でいる時間がほとんどなかったから、コロナによる中断は僕たちにとってはとても良いことだった。
 
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