復活を遂げたパッション。再戦が早くも楽しみだ
昨夜、日産スタジアムでの一戦を観るまで、私はもう“偉大な日韓ダービー”は復活しないと考えていた。もはや過去の遺産なのではないかと。
それまでの4試合はすべてE-1選手権(東アジア選手権)での対戦で、どちらも海外組の選手を招集できないサブメンバーという人員構成だった。言うなればB代表同士のテストマッチに等しく、日韓ダービーの権威もずいぶん下落していたように思う。若い両国の選手などは1900年代のあの熱狂など知る由もない。それゆえ、今回もさほど期待感を持っていなかったのだが……。パッションにふたたび火が付き、素晴らしいダービーが復活を遂げたのである。
両国によるガチンコ勝負だった。偉大なるダービーのインテンシティが復活し、特別な空気を運んでくれた。かつて日本の選手にとって韓国が特別な“巨人”だったように、いまや韓国の選手やファンにしてみれば、日本は世界でもっとも打ちのめしたい存在なのだ。両国選手たちのモチベーションはすこぶる高いように感じたし、あらためて日韓ダービーが異次元のカードであることを誰もが再確認しただろう。
日本は内容も結果も伴った、3-0という望外な結果を得た。偉大な勝利だ。一方の韓国はこの惨敗をきっと忘れない。いつかリベンジを果たそうと燃えているだろう。この関係性がまた、次のダービーを盛り上げてくれる。
はたして再戦はいつになるのか。特大の楽しみがひとつ増えた、そんな気がしている。
<了>
著者プロフィール
マイケル・プラストウ/1959年、英国のサセックス州出身。80年に初来日。91年に英国の老舗サッカー専門誌『ワールドサッカー』の日本担当となり、現在に至る。日本代表やJリーグのみならず、アジアカップやACLも精力的に取材し、アジアを幅広くカバー。常に第一線で活躍してきた名物記者だ。ケンブリッジ大学卒。
それまでの4試合はすべてE-1選手権(東アジア選手権)での対戦で、どちらも海外組の選手を招集できないサブメンバーという人員構成だった。言うなればB代表同士のテストマッチに等しく、日韓ダービーの権威もずいぶん下落していたように思う。若い両国の選手などは1900年代のあの熱狂など知る由もない。それゆえ、今回もさほど期待感を持っていなかったのだが……。パッションにふたたび火が付き、素晴らしいダービーが復活を遂げたのである。
両国によるガチンコ勝負だった。偉大なるダービーのインテンシティが復活し、特別な空気を運んでくれた。かつて日本の選手にとって韓国が特別な“巨人”だったように、いまや韓国の選手やファンにしてみれば、日本は世界でもっとも打ちのめしたい存在なのだ。両国選手たちのモチベーションはすこぶる高いように感じたし、あらためて日韓ダービーが異次元のカードであることを誰もが再確認しただろう。
日本は内容も結果も伴った、3-0という望外な結果を得た。偉大な勝利だ。一方の韓国はこの惨敗をきっと忘れない。いつかリベンジを果たそうと燃えているだろう。この関係性がまた、次のダービーを盛り上げてくれる。
はたして再戦はいつになるのか。特大の楽しみがひとつ増えた、そんな気がしている。
<了>
著者プロフィール
マイケル・プラストウ/1959年、英国のサセックス州出身。80年に初来日。91年に英国の老舗サッカー専門誌『ワールドサッカー』の日本担当となり、現在に至る。日本代表やJリーグのみならず、アジアカップやACLも精力的に取材し、アジアを幅広くカバー。常に第一線で活躍してきた名物記者だ。ケンブリッジ大学卒。