スアレスが抜けてアグレッシブさや泥臭さがなくなった。
山中:今のリバプールでピッチ上の役割を分業化していきたいなら、前の攻撃的な選手がもっとスキルアップしないとダメですよね。今シーズンだって、結局はスアレスが抜けた穴を埋められなかったという話になるわけでしょ?
田邊:そう。31ゴール・12アシストを決めた選手が抜けたわけだから。だからこそロジャースは、守備の緩さを解消したり、リードした後に試合をあえてペースダウンさせるようなスキルを磨かなければならなかった。
山中:データを見ればわかるように、実は昨シーズンのリバプールも守備はゆるゆるだったんですよ。リーグ戦では50失点しているし、スアレスがいなかったら優勝争いなんてまったく絡めていなかった。
でも結局は、手つかずのままになっていた守備の問題がスアレスが抜けたことでさらに露呈したというのが、今シーズンのリバプールの読み解き方なのかなと。ロジャースは大量に選手をとって、スアレスが抜けた穴を“物量作戦”で埋めようとしたんだけど。
田邊:スターリッジは残ったけど、他のメンバーは即戦力になりきれなかった。
山中:そう。そのことはアーセナル戦の後の記者会見で、ロジャースが認めていました。
田邊:ララーナあたりは態度だけ見ると、「俺は名門リバプールの一員だぜ」みたいなオーラを全身に漲らせているけど(笑)。真面目な話をすると、物量作戦をとったが故に、余計にチームのバランスが煮詰まりきらなかった側面も否めない。
それとスアレスが抜けた影響に関しては、個人的には攻撃陣からアグレッシブさや泥臭さもなくなった気がする。これはシステムどうこうよりも影響が大きい。
山中:同感ですね。リーグ戦もそうだけど、先日ジェラードとキャラガーのために催されたチャリティーマッチなんかを見ていても、そのことを痛感しました。
田邊:豪華な試合だったよね。顔ぶれで言うとベルカンプの引退記念試合といい勝負。そのベルカンプの引退記念試合の時には、ファン・バステンが実はいまだに異様にうまいことが明らかになるというおまけがあったけど。
山中:リバプールのチャリティーマッチでは、アンリが気の利いたパスを出してみせたり、キャラガーがPKを与えるシーンもあったりして。
田邊:スカイの解説者になって、スーツを着てもっともらしいことを言うようになっても、君、本当はあんまり変わっていないだろうと(笑)。
山中:あの試合には当然、スアレスも出場したんだけど、たしかミドルシュートかなんかを外した後に、思いっきり悔しがってGKやCBにプレスをかけに行っていた。フレンドリーマッチなのに、ですよ。僕はあのシーンが一番強烈に印象に残った。得点力もそうだけど、勝利にこだわる姿勢の強さと言う点でも、ファンもこういう選手に残ってほしかったと、改めて思ったんじゃないですか。
田邊:今のリバプールはたしかにスマートで、うまいサッカーをするようになった印象はあるけど、勝負強さとか図太さは感じないですからね。個人的にはあそこから、一種のパフォーマンスで誰かに噛みついてほしかったけど(笑)。
山中:タイトルを取るには、一番前の所にものすごく点が取れるだけじゃなくて、がむしゃらにプレーするとか、ひたすら泥臭くプレーするとか「棘」や「毒」を持った選手が欲しい。チェルシーの場合は、ベンチから一番強烈な毒が出ているわけで(笑)。
田邊:そう。31ゴール・12アシストを決めた選手が抜けたわけだから。だからこそロジャースは、守備の緩さを解消したり、リードした後に試合をあえてペースダウンさせるようなスキルを磨かなければならなかった。
山中:データを見ればわかるように、実は昨シーズンのリバプールも守備はゆるゆるだったんですよ。リーグ戦では50失点しているし、スアレスがいなかったら優勝争いなんてまったく絡めていなかった。
でも結局は、手つかずのままになっていた守備の問題がスアレスが抜けたことでさらに露呈したというのが、今シーズンのリバプールの読み解き方なのかなと。ロジャースは大量に選手をとって、スアレスが抜けた穴を“物量作戦”で埋めようとしたんだけど。
田邊:スターリッジは残ったけど、他のメンバーは即戦力になりきれなかった。
山中:そう。そのことはアーセナル戦の後の記者会見で、ロジャースが認めていました。
田邊:ララーナあたりは態度だけ見ると、「俺は名門リバプールの一員だぜ」みたいなオーラを全身に漲らせているけど(笑)。真面目な話をすると、物量作戦をとったが故に、余計にチームのバランスが煮詰まりきらなかった側面も否めない。
それとスアレスが抜けた影響に関しては、個人的には攻撃陣からアグレッシブさや泥臭さもなくなった気がする。これはシステムどうこうよりも影響が大きい。
山中:同感ですね。リーグ戦もそうだけど、先日ジェラードとキャラガーのために催されたチャリティーマッチなんかを見ていても、そのことを痛感しました。
田邊:豪華な試合だったよね。顔ぶれで言うとベルカンプの引退記念試合といい勝負。そのベルカンプの引退記念試合の時には、ファン・バステンが実はいまだに異様にうまいことが明らかになるというおまけがあったけど。
山中:リバプールのチャリティーマッチでは、アンリが気の利いたパスを出してみせたり、キャラガーがPKを与えるシーンもあったりして。
田邊:スカイの解説者になって、スーツを着てもっともらしいことを言うようになっても、君、本当はあんまり変わっていないだろうと(笑)。
山中:あの試合には当然、スアレスも出場したんだけど、たしかミドルシュートかなんかを外した後に、思いっきり悔しがってGKやCBにプレスをかけに行っていた。フレンドリーマッチなのに、ですよ。僕はあのシーンが一番強烈に印象に残った。得点力もそうだけど、勝利にこだわる姿勢の強さと言う点でも、ファンもこういう選手に残ってほしかったと、改めて思ったんじゃないですか。
田邊:今のリバプールはたしかにスマートで、うまいサッカーをするようになった印象はあるけど、勝負強さとか図太さは感じないですからね。個人的にはあそこから、一種のパフォーマンスで誰かに噛みついてほしかったけど(笑)。
山中:タイトルを取るには、一番前の所にものすごく点が取れるだけじゃなくて、がむしゃらにプレーするとか、ひたすら泥臭くプレーするとか「棘」や「毒」を持った選手が欲しい。チェルシーの場合は、ベンチから一番強烈な毒が出ているわけで(笑)。