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偉大なる「マルディーニ家」の系譜。“3代目”はミランでキャリアを築けるか?【現地発】

カテゴリ:メガクラブ

片野道郎

2020年10月28日

「マルディーニの息子」という色眼鏡で

パオロは父に続いて、イングランドの地でCLトロフィーを掲げた。現在はミランの強化責任者を務める。(C)Getty Images

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 偉大な父親を正面から乗り越えることほど、息子にとって困難な偉業はない。パオロはそれを果たした、サッカーの歴史でも数少ない1人となった。

 10歳でミランの育成部門に入ったその日からパオロは、「あいつはマルディーニの息子だから」という色眼鏡で見られ、そのプレッシャーに耐えてきた。かつて筆者が本人にインタビューした時に語ってくれた言葉は、今でも忘れられない。

「小さい頃はマルディーニという名字が重荷だった。10歳の子供なんてただ楽しいからサッカーをしているだけなのに、みんなそれを忘れているんだ」

 そのパオロがアドリアーナ・フォッサ夫人との間に授かった2人の息子もまた、同じミランの育成部門で、父と同じように周囲の嫉妬深い視線に耐えながらボールを追いかけるという運命からは避けられなかった。

 長男のクリスティアンは1996年生まれ、次男ダニエルは5歳下の2001年生まれ。父と同じCBとして育ったクリスティアンは、プリマベーラ(U-19)を卒業後にミランとプロ契約を交わしたが、トップデビューは叶わなかった。その後はレッジャーナ、フォンディ、プロ・ピアチェンツァ、ファーノ、プロ・セスト(現所属先)と、セリエCやセリエDのクラブを転々としながら、プロとセミプロの境界線で慎ましいキャリアを送っている。
 
 偉大な祖父、それ以上に偉大な父の系譜に連なって、ミランというビッグクラブで自身のキャリアを築く可能性を手にしているのは、むしろ次男ダニエルのほうだ。

 ポジションは“マルディーニ家の伝統”からすると意外にも見える攻撃的MF。現代サッカーにおいては高いフィジカル能力と優れたテクニックを兼備していなければ務まらないポジションであり、その意味では祖父や父と比べても、持って生まれたクオリティーでは大きく引けを取らないと言えそうだ。

 ミランの育成部門では各年代でレギュラーを務め、16歳だった17-18シーズンはアッリエービ(U-17)で24試合・9得点を記録し、プリマベーラに昇格した18-19シーズンは23試合で8得点・1アシストというハイパフォーマンス。鋭い突破からのシュート、そして正確な直接FKなどを見せた。

 昨シーズンは24年までのプロ契約を交わし、プリマベーラの試合に出場しながらトップチームにも帯同し、20年2月2日のヴェローナ戦でアディショナルタイムに初出場。親子3代に渡るミランでのセリエAデビューを果たした。最終節では同じく途中交代ながら、約25分間のプレータイムが与えられた。

 01年以降に生まれたイタリア人プレーヤーで、すでにセリエAデビューを果たしているのは、エディ・サルセド(ヴェローナ)やセバスティアーノ・エスポージト(スパル)らほんの数人に過ぎない。その意味ではダニエルもまた、同年代ではトップグループを走るエリートの1人だと言えるだろう。
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