「サバイバルの始まり」の風が吹いたカメルーン戦。人材豊富な国内組の融合を考える

カテゴリ:Jリーグ

佐藤俊

2020年10月10日

次戦はカメルーン戦で出番のなかった欧州組の奮起に期待

大迫勇也のあとに続くCFの人材が不足している。写真:龍フェルケル

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 センターバックは、ベテランの吉田麻也と冨安健洋のセリエAコンビが安定したプレーを見せ、レギュラーに定着しているが、その次が定まらない。今回、植田直道、板倉滉が招集されているが、国内組では谷口彰悟(川崎)が安定したプレーを見せているし、昌子源(G大阪)は復調の気配を見せ、瀬古歩夢(C大阪)も成長している。吉田、冨安の刺激となる3番手が誰になるのか。今年の谷口ならそうなったとしても、なんら不思議はない。

 センターフォワードは、日本のアキレス腱になっている。岡崎慎司、大迫勇也のあとが続かない。鈴木武蔵はどちらかというとシャドーで生きるタイプ。鎌田はフランクフルトではトップ下で自由に動くことで良さを発揮していた。ただ、国内でもセンターフォワードの適任者が見つからない。岡崎+大迫不在用のオプションとして、久保を前線に置いてゼロトップを試すなど、タレント豊富な2列目を活かした攻撃陣の編成も次の試合では見てみたい。
 
 久しぶりの試合でメンバー表を見てみると、各リーグのトップクラブに所属している選手はまだ少ない。海外でプレーできること自体素晴らしいことだが、カメルーン戦を見る限り、国内組の選手は十分やれると感じられた。彼らが刺激となり、代表のチームの競争を激化させてくれれば、全体のレベルが上がる。
 
 思えばアルベルト・ザッケローニ監督時代は、ワールドカップ予選を突破してチームがほぼ完成した後、東アジアカップで活躍した山口蛍ら新しい選手をチームに招集し、欧州遠征でオランダやベルギーと試合をした頃が一番面白かったし、強かった。
 
 次のコートジボワール戦では、カメルーン戦で出番のない欧州組がどんなプレーを見せてくれるか。「やっぱりこの選手、違うな」と思わせてくれるものを見せなければ今後、国内組のフレッシュな若手や成長を続ける中堅に食われてしまうことになる。
 
 2020年最初の試合は、「サバイバルの始まり」の風が吹いた。コロナ禍による代表強化の空白を埋める動きがこれから活発化していきそうだ。
 
取材・文●佐藤 俊(スポーツライター)

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