「サバイバルの始まり」の風が吹いたカメルーン戦。人材豊富な国内組の融合を考える

カテゴリ:Jリーグ

佐藤俊

2020年10月10日

川崎でノッている三笘は何かを変えてくれるだろう

川崎で絶好調の三笘。ルーキーながらここまでJ1で9ゴールを挙げている。(C)SOCCER DIGEST

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 この時、思い浮かんだ国内組が、三笘薫(川崎)と古橋亨梧(神戸)である。
 
 どちらも仕掛けてシュートまで持っていける選手。日本の2列目は今、人材豊富な黄金時代を迎えており、今後もいい選手が出てくるだろうが、三笘は今ノッているだけに川崎でのプレーのように何かを変えてくれるだろうし、そういう運も持っている。代表でも違ったカラーを発揮できるのではないだろうか。
 
 競争という観点でいえば、最終ラインとボランチはもっと風が吹いてもいいだろう。
 
 カメルーン戦は、不動の左サイドバック長友佑都が参戦を辞退したため、安西幸輝が入った。本人は意欲的だったが、前半だけの出場となり、インパクトを残せなかった。3バックにした際の左ウイングバックはいるが、左サイドバックとなると国内組を見渡しても決定的な選手がいない。杉岡大暉(鹿島)や荻原拓也(新潟)、福森晃斗(札幌)に期待したいのだが、クラブでくすぶっている。長友に火をつける選手がいなければ長友自身のためにもならない。カメルーン戦を見ていて手薄な左サイドバックは今後、日本のウィークポイントになりかねないと思った。
 
 右サイドバックも酒井宏樹が長らくポジションをキープしている。カメルーン戦では守備の巧みさ、3バックの左もこなせる器用さを見せ、改めて存在の大きさを示した。ベンチには室屋成、菅原由勢らがいたが、個人的には山根視来(川崎)のプレーが思い浮かんだ。攻撃の能力が高く、器用さもあり、川崎でレギュラーを掴んでいる。酒井への刺激になり得る選手として現在、最有力だろう。

 ボランチでは、柴崎岳と中山雄太が組んだが、際立った感がなく、この試合を見る限りほかの選手が付け入る隙は十分にある。橋本拳人が招集されておらず、シュツットガルトのレギュラーである遠藤航がベンチに座っていたが、ここに国内組の大島僚太(川崎)がいたらどうなっていただろう。Jリーグで首位をいく川崎の頭脳は、代表でもその役割を果たせるし、過去に代表で十分やれることを証明している。大島以外にも米本拓司(名古屋)、山口蛍(神戸)もまだまだやれるし、彼らは調子を上げている。柴崎が第1ボランチなのか、それとも今後、ほかの誰かがボランチの主導権を握るのか、聖域なき競争が楽しみだ。
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