「サバイバルの始まり」の風が吹いたカメルーン戦。人材豊富な国内組の融合を考える

カテゴリ:Jリーグ

佐藤俊

2020年10月10日

チーム内に競争をもたらす選手を考えた時、国内組の顔が思い浮かんだ

相手に主導権を握られたカメルーン戦。国内組の融合に期待が膨らむ。写真:龍フェルケル

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 日本代表、久しぶりの試合が始まる前は期待感が膨らんでいた。
 
 だが、試合が進むにつれ前線をはじめとする各ポジションに、1年という長い年月の空白を感じさせた。ほぼいつもの面子だがエンジンがなかなかかからず、連携もかみ合わない。ボールを簡単にロストするシーンも増えていた。
 
 新型コロナウイルス陽性反応が出て、登録メンバーが減ったカメルーンはサイドチェンジを使った頭脳的な展開で日本の選手の頭と足を疲労させた。日本をよく知っていたのか、それともこのサッカーがアフリカ選手権を控えたカメルーンの今のスタイルなのかは分からないが、明確なことは、相手の術中にハメられ、主導権を握られたまま試合が終わってしまったということだ。
 
 流れを変えるのは簡単ではない。サッカーでよく言われることだ。
 
 相手に傾いた流れを引き戻すには、その勢いを超える選手の踏ん張りと運が必要になってくる。それをうまく引き寄せると、形勢がガラリと逆転する。交代選手がそのキーになることが多く、それゆえ鎌田大地、久保建英に期待した。彼らのプレーの質の高さは感じられたが、カメルーンの強いフィジカルを生かした守備に対し、狡猾な展開に流れを変えるまでの力を見せることはできなかった。だからといって彼らに力がないということではなく、次戦では違いを見せてくれるだろう。

 久保や鎌田のプレーを見ていて、流れを変えられる選手、チーム内で刺激となり競争をもたらす選手について考えた時、国内組の選手の顔が思い浮かんだ。

 カメルーン戦では、堂安律、原口元気、南野拓実が2列目として出場した。試合後、大迫勇也は「最初、距離感とかに問題があったけど、時間が経つとよくなった」と述べたが、攻撃は単調で、昨年見せたようなダイレクトを含めた様々なパスとドリブルを絡めた多彩な攻撃パターンが見られなかった。常に違いを見せていた中島翔哉がいれば、もう少し何かが起きていたと思ったのは、自分だけではないはずだ。
 
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