【U-22日本代表】五輪アジア1次予選突破への3箇条――ミャンマー戦に見る収穫と課題

カテゴリ:日本代表

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2015年03月12日

スタメン5人が入れ替わったミャンマー戦後半はクオリティが低下。

急遽スタメン出場となったボランチの原川。「無難なプレーばかりだった」と、自身の出来に悔しさを滲ませた。(C) SOCCER DIGEST

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3.タイトな日程を乗り切るための総合力

 1次予選の3試合は中1日で行なわれるタイトなスケジュールとなっている。それだけに、レギュラークラスのコンディション調整が重要になってくるのはもちろん、誰が出ても戦力を落とさずに戦うことができなければならない。
 
 手倉森監督は、ミャンマー戦で7点を奪取した前半を終えると、メンバーを5人代えて後半に臨んだが、前半の半分にも満たない2点しか取れなかった。しかもスコアラーは前半からゴールを量産していた鈴木と中島で、途中出場から得点に絡めたのは、中島のゴールをアシストした野津田岳人のみだった。
 
 この結果に指揮官も
「後半はスピードを上げた時に少しクオリティを欠いた部分があった。後半のメンバーは、ゲームの感覚をもう少し高めてあげなければいけない」
と苦言を呈した。
 
「後半も流れを止めずに、どんどん点を取りに行こうと思ったけど……、ちょっと上手くいかなかった」
 荒野との交代で後半からピッチに立った矢島慎也が悔しさを滲ませる。
 
 矢島以外でも、ボランチでプレーした安在和樹や左SBに入った亀川諒史らも懸命に戦う姿勢を見せてはいたものの、前半のように流動的な崩しは少なく、パスミスなど息の合わない場面が目についた。1アシストを記録した野津田にしても、ボールを持ちすぎる傾向があり、周囲との連係不足は明らかだった。
 
 また、この試合のスターティングメンバーには大島僚太の名前が記されていた。しかし試合直前に左ふくらはぎの違和感を訴え、急遽控えメンバーに名を連ねていた原川力がボランチで先発出場している。
 
 重箱の隅を突くようだが、あれだけチームが機能した前半のなかで、その原川自身が「無難なプレーばかりだった。もう少し攻撃面に絡んだりして怖さを示さないと。課題が多かった」と反省するように、低調な出来に終わったのも気がかりなところだ。
 
 1次予選のマカオとの初戦は3月27日だが、チームは16日に現地入りして事前合宿を行なう予定だ。固まりつつあるレギュラーメンバーのコンビネーションに大きな問題は見られないだけに、その他の選手たちが事前合宿でどれだけパフォーマンスを上げられるか。それが予選突破の可能性を高めることになるはずだ。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
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