これから1試合も出ないなら出ないで、しょうがない。
来季のCL本選出場権を掴めるのは、ブンデスリーガの1位から3位。4位はプレーオフに回る。24節終了時点で、3位のボルシアMGから6位のアウクスブルクまでの4チームが、勝点差3の中で競り合っているのだ。現在5位のシャルケにとって、右SBの一番手である内田の完全離脱は避けなければならない。
「今、チームは良い感じだし、俺のコンディションは別にして、俺がいなくてもこのメンバーで問題はないと思う。でも監督は、なんとか2か月持たせたいという感じの雰囲気で話していたから。これから(自分の)出場時間が短くなっていくと思うけど、こうやってちょっとずつ出してもらえればプツンと切れないから。ありがたいと言えばありがたいし、これから1試合も出ないなら出ないで、しょうがない」
この夜、内田は「しょうがない」と何度も口にした。この言葉でしか、気持ちを整理できないのだろう。
「CLが終わっちゃうと、あぁ終わっちゃったなぁという気持ちに、毎年なる。やっぱり出たかったね、90分。まあ、しょうがないんだけど」
やりきれない想いを振り払うように、「しょうがない」と繰り返しても、やっぱり、やりきれない想いは残る。そして、そういう感情との付き合いは、これからもずっと続くに違いない。膝の痛みを感じるたびに、なにかを後悔しても始まらない。
アスリートにとって、膝や腰などは、一度痛めてしまうと完治が難しいと言われる。痛みが和らぎ、気持ち良くプレーできる日もあれば、そうじゃない日もある。負傷した身体といかに付き合っていくか――という経験をしているアスリートは少なくない。
「治らないと言われたから、治らないんだけど。そんなことを言ってもしょうがないから、やり続けるしかない。変わらずに毎日、しっかり準備して、練習をちゃんとやって、試合をちゃんとやって。その繰り返しだと思う。
今日、10分しか(試合に)出られなかったのもしょうがない。なにも話をしてくれない監督もいるけど、(ディ・マッテオ監督は)俺の意見まで聞いてくれたし、向こうの意見も言ってくれて。それで俺は納得しているから。あとは自分でコンディションを上げていくしかない。俺の身体の問題だから」
これまでと同じように、内田篤人はまた一歩、前に歩みを進める。そうやって切り拓き、乗り越えてきた。それが彼のキャリアの礎だから。
今日、精一杯の力を尽くす。そうやって辿り着いたのがCLの舞台。その魅力を知っているからこそ、歩みを止めることはできないはずだ。
取材・文:寺野典子(フリーライター)
「今、チームは良い感じだし、俺のコンディションは別にして、俺がいなくてもこのメンバーで問題はないと思う。でも監督は、なんとか2か月持たせたいという感じの雰囲気で話していたから。これから(自分の)出場時間が短くなっていくと思うけど、こうやってちょっとずつ出してもらえればプツンと切れないから。ありがたいと言えばありがたいし、これから1試合も出ないなら出ないで、しょうがない」
この夜、内田は「しょうがない」と何度も口にした。この言葉でしか、気持ちを整理できないのだろう。
「CLが終わっちゃうと、あぁ終わっちゃったなぁという気持ちに、毎年なる。やっぱり出たかったね、90分。まあ、しょうがないんだけど」
やりきれない想いを振り払うように、「しょうがない」と繰り返しても、やっぱり、やりきれない想いは残る。そして、そういう感情との付き合いは、これからもずっと続くに違いない。膝の痛みを感じるたびに、なにかを後悔しても始まらない。
アスリートにとって、膝や腰などは、一度痛めてしまうと完治が難しいと言われる。痛みが和らぎ、気持ち良くプレーできる日もあれば、そうじゃない日もある。負傷した身体といかに付き合っていくか――という経験をしているアスリートは少なくない。
「治らないと言われたから、治らないんだけど。そんなことを言ってもしょうがないから、やり続けるしかない。変わらずに毎日、しっかり準備して、練習をちゃんとやって、試合をちゃんとやって。その繰り返しだと思う。
今日、10分しか(試合に)出られなかったのもしょうがない。なにも話をしてくれない監督もいるけど、(ディ・マッテオ監督は)俺の意見まで聞いてくれたし、向こうの意見も言ってくれて。それで俺は納得しているから。あとは自分でコンディションを上げていくしかない。俺の身体の問題だから」
これまでと同じように、内田篤人はまた一歩、前に歩みを進める。そうやって切り拓き、乗り越えてきた。それが彼のキャリアの礎だから。
今日、精一杯の力を尽くす。そうやって辿り着いたのがCLの舞台。その魅力を知っているからこそ、歩みを止めることはできないはずだ。
取材・文:寺野典子(フリーライター)