【連載】ミラン番記者の現地発・本田圭佑「本田はミランで唯一、変わる必要のない選手だ」

カテゴリ:メガクラブ

マルコ・パソット

2015年03月11日

監督解任は回避されるも、全てが不確かな状況に変わりはなし。

毎試合が監督の査定の場となってしまっている不安定な状況で、選手も落ち着いてプレーするのは難しいだろう。もっとも、それを抜きにしても酷い試合が続いているが……。 (C) Getty Images

画像を見る

 月曜日にシルビオ・ベルルスコーニ・オーナーと、アドリアーノ・ガッリアーニ副会長が会談した結果、今回のフィリッポ・インザーギ監督の解任は回避された。
 
 しかし、あくまでも“今回は”である。インザーギ監督の立場はいまだ微妙で、細い糸の上にいるような状態であることに変わりはない。今週末のフィオレンティーナ戦の結果いかんでは、そこが彼の死に場所になってしまう可能性も大いにある。
 
 インザーギ監督、そしてチームも、来週のことさえ見えないという、とんでもない状況でまた一週間を過ごすこととなった……。
 
 ベルルスコーニ・オーナーがインザーギ監督の続投を決めた理由は2つ。第一に、“3人の監督”に払う金がない。インザーギ監督との契約は2016年まであるし、まだ前任クラレンス・セードルフとの契約も残っている。つまりインザーギ監督をクビにすれば、ミランはこの先、財政難のなかで監督3人分の給料を払っていかねばならないことになる。
 
 第二に、信用に足る後任者が見つからない。これもまた、ミランの窮状に起因している。身も蓋もない言い方をしてしまえば、優秀な監督はいるのだが、これを招聘するだけの金がないのだ。
 
 とにかく、インザーギ監督と選手たちは練習場で再会を果たした。ミラネッロの空気は微妙だ。選手にとって、チームを率いるのは、すぐに自分たちのもとを去るかも知れない監督。その週の働きと試合の結果で状況が変わる、いわば“週雇い”のような存在だ。何もが不確かな状況のなかで、練習に集中することは簡単ではない。
 
 そんな選手たちにガッリアーニ副会長は、「ヴェローナ戦の最後の数分のことは忘れるように」、そして「フィオレンティーナ戦で“インザーギ・ミラン”が終わるかも知れないなどという危惧も頭から追い出すように」と話した。今のミランには、誇りに懸けた復活が何より大事なのだ、と――。
 
 このような状況に陥ってしまったのには、もちろんインザーギ監督にも少なからず責任がある。しかし、ひとつだけ彼を高く評価できることがある。それは、常に自分の選手たちを守ってきたことだ。
 
 今のような混乱のなかでも、インザーギ監督が選手を責めることは決してない。昨夏のアメリカツアーで散々な結果に終わった時から現在に至るまで、彼は常に、ミランの不調の原因は自分にあると言い続けてきた。
 
「何か言いたいことがあるなら、選手にではなく自分に言ってくれ。彼らはいつも、全力で頑張っているのだから」
 
 事あるごとにそう繰り返してきたインザーギ監督。この態度は賞賛に値すべきものだが、残念ながらそれが結果に結びついていない。
 
 選手たちは無意識のうちに、インザーギ監督がミランベンチに座るのは、最長でもシーズンの終わりまでだということを理解している。そうなると、31人の選手の全員がモチベーションを保つのは難しい。本田圭佑と同じような真摯な態度でいるのは不可能だろう。

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト サッカーダイジェスト12月12日号
    11月28日発売
    2019冬の移籍マーケット
    番記者が推奨する
    J1&J2全40クラブ
    「補強3か条」
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ワールドサッカーダイジェスト
    12月5日発売
    ビッグネーム移籍
    「噂の真相」
    EURO2020最速ガイドに
    特製カレンダーも!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVol.28
    7月10日発売
    「インターハイ選手名鑑」
    男子出場52校・1040選手の
    顔写真&プロフィールを網羅
    企画満載で女子出場16校も!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ