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川島永嗣が振り返る2003年ワールドユース。ついに打ち破った韓国の壁と、厚すぎた南米の壁【U-20激闘譜】

カテゴリ:連載・コラム

元川悦子

2020年07月05日

平山相太の覚醒でGL突破!ラウンド16、因縁の相手との再戦で坂田が爆発!!

日本の10番を背負った坂田は、韓国戦で殊勲の2ゴール。ベスト8進出に大きく貢献した。(C) AFLO/REUTERS

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 初戦・イングランド戦は坂田と阿部の2トップでスタート。相手はルーニーとミルナーを招集できず、本来の強さが影を潜めたこともあり、日本は坂田のゴールで1-0と白星発進した。続くコロンビア戦は坂田と茂木の2トップで挑んだが、名将・ルエダ監督(現チリ代表監督)率いる敵は想像以上に個としても集団としてもレベルが高く、日本はまるで歯が立たない。1-4という惨敗もやむを得ないものがあった。

「前からプレスをかけに行っても全くボールが取れないし、自分たちのサッカーが通用しなかった印象しかないですね。僕にとってコロンビアは因縁の相手だけど、最初の戦いから本当に厳しいものがあった」と川島は神妙な面持ちで話したが、彼らは南米勢の底力をまざまざと見せつけられることになった。

 グループリーグ突破の懸かる3戦目の相手はエジプト。大熊監督はまたもFWの組み合わせを入れ替え阿部・茂木のコンビで行ったが、勝負を決めたのはスーパーサブの平山だった。谷澤達也(藤枝)のスルーパスを受けた大型FWが巧みなドリブル突破から奪った1点は、終始劣勢を強いられていた日本を救った。指揮官は「平山には富士山のような大きな存在になってほしい」と期待を込めて語ったが、底知れぬ潜在能力を持つFWのジョーカー起用という采配がズバリ的中し、終わってみれば1位通過。ラウンド16の相手は煮え湯を飲まされてきた宿敵・韓国と決まった。

 世界に舞台を移した日韓決戦は壮絶な試合となった。前半に失点を許した日本は追い込まれ、指揮官は温存していた平山をすぐさま投入。それでも点を取れないと見るや、もう1枚の切り札として置いていた坂田を起用した。大熊監督就任後、10番を背負いながら中途半端な位置づけに甘んじてきた男は「今こそ見返してやる」というギラギラ感を押し出し、終盤に値千金の同点弾を叩き込む。

 試合は最終予選決勝と同様、延長戦へと突入。そこで再び坂田が大仕事をやってのける。試合を通して中盤で激しいバトルを繰り返していたキャプテン・今野が攻め上がり、絶妙なラストパスをエースナンバー10に供給。坂田が決勝点となるゴールを奪ってみせた。日本はついに2-1の逆転勝利を収めたのだ。
 
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