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「時間が経つにつれて背中に荷物を…」歴代最高のリーダーと称される長谷部誠が率いた8年間【日本代表キャプテンの系譜】

カテゴリ:連載・コラム

元川悦子

2020年06月08日

日本代表で不可欠な存在に。「あれだけ完成された人間はいない」と言ったのは…

ロシアW杯では現在世界ランク1位のベルギーと対戦。惜しくも敗れたが、日本は大善戦を見せた。写真:滝川敏之

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 しかしながら、2014年夏に就任したハビエル・アギーレ(現レガネス)も、2015年3月から後を引き継いだヴァイッド・ハリルホジッチ(現モロッコ代表)も、2018年ロシア・ワールドカップ直前に急きょ指揮官となった西野朗(現タイ代表)も、結局は長谷部をリーダーに指名した。

「マコ以外のキャプテンというのはハードルが高いんですよ。あれだけ完成された人間はいないから、みんなあそこに頼っちゃう。周りへの気配りもそうだし、自分への厳しさもそうだし。マコがやってくれれば安心感はあるから、それを飛び越えて違う人にする意味があるのかなと思いますけどね」
 長年の盟友・川島永嗣(ストラスブール)もこんな話をしていたことがあったが、「あえて代える必要はない」と全ての指揮官に思わせるほど、長谷部は2014年以降も大きな存在感を示したのだ。

 それはリーダーとしての天性の資質に加え、絶対的ボランチに君臨し続けたことも大きい。2015年アジアカップ(オーストラリア)の後、遠藤保仁(G大阪)が代表を離れた後は「長谷部依存症」と言われる状況が長く続いた。ハリル時代は山口蛍(神戸)や井手口陽介(G大阪)らデュエルに強いボランチが重用されたが、ロシア切符を手にした2017年9月の最終予選大一番・オーストラリア戦(埼玉)もアンカーに長谷部を据えたからこそ、2人は輝けた。「結局、僕らの世代はハセさんたち上の選手たちを追い抜けなかった」と山口はロシア後に悔しさを吐露したが、ドイツで10年以上もキャリアを積み重ねてきた実績と経験も日本代表には必要不可欠だったのだ。

 長谷部はロシアでも、コンビを組んだ柴崎岳(ラ・コルーニャ)を的確にサポートし、能力を引き出すような一挙手一投足を見せた。ロシア・ワールドカップの日本代表は西野監督体制の急造チームではあったが、川島、長友佑都(ガラタサライ)、本田圭佑(ボタフォゴ)らワールドカップ3度目組、あるいは吉田麻也(サンプドリア)、香川真司(サラゴサ)ら同2度目組が数多くいたこともあって、強引なリーダーシップを示さなくてよくなったのも、長谷部にとってはプラスだったのではないか。西野監督の自主性を重んじるアプローチも奏功し、彼らは持てる力を存分に発揮して南ア以来のベスト16入りを果たすことができた。
 
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