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「時間が経つにつれて背中に荷物を…」歴代最高のリーダーと称される長谷部誠が率いた8年間【日本代表キャプテンの系譜】

カテゴリ:連載・コラム

元川悦子

2020年06月08日

ザッケローニからは全幅の信頼を置かれるもブラジルW杯で挫折

5人の指揮官の下でキャプテンを務めた長谷部。どの監督にとっても重要な存在だった。写真:滝川敏之

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 悪いことに、そんな時期に日本代表が予期せぬ停滞に陥った。2013年10月のセルビア(ノヴィサド)・ベラルーシ(ジョジナ)2連戦の連敗時には「自分たちのパスサッカーを突き詰めるか否か」で選手間の意見が分かれてしまう。「全員に距離感が近くて、細かいパスにこだわるイメージがちょっと強すぎるのかな」と彼自身はコメントしていたが、それまでの路線を大きく変えようとはしなかった。翌11月のベルギー遠征で結果が出たうえ、彼自身も2014年に入るや否や、膝の大怪我を負ったこともあり、最後までこの問題を抜本的に解決するには至らなかった。

 こうした混乱があっても、ザック監督は「本物のキャプテンはお前と(パオロ・)マルディーニだ」と長谷部に声をかけ、最終登録メンバーの意見を求めるほど、絶対的な信頼を寄せていた。それに応えようと本人も懸命のリハビリの末、本大会に戻ってきたが、初戦・コートジボワール戦(レシフェ)での屈辱的な逆転負けでチームの歯車は大きく狂ってしまう。切り札のディディエ・ドログバが出てきて4分間で2失点した時、長谷部はすでにベンチに下がっており、この惨状を外から見つめるしかなかった。

「今日は前半も後半も自分たちのやろうとしているサッカーを試合を通して表現できなかった。それが一番です」と反省の弁を口にしたが、コンディションが万全でない悔しさも見て取れた。膝の不安はその後も続き、数的優位に立ちながら勝ち切れなかった第2戦・ギリシャ戦(ナタル)も前半で交代を強いられる。ラストのコロンビア戦(クイアバ)こそフル出場したものの、ハメス・ロドリゲス(レアル・マドリー)に翻弄された日本は4失点。3試合で勝点1・グループ最下位という最悪の結果を突きつけられた。

「僕は若い選手がキャプテンをすべきだと思うんです。それをサポートすることができるし。これからの日本代表は若い世代が出てこないといけない。そう思います」

 2度目のワールドカップで大きな挫折を経験した長谷部はこんなコメントを残した。それだけブラジル惨敗の大きな責任を感じていたということだろう。彼はこの時点で30歳。確かに2010年南ア大会の成功例を考えると20代選手にリーダーを託した方がチームも活性化する……。そんな見方があったのも事実だ。
 
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