【藤本淳吾は今どうしている?|後編】揺るぎない自信、だが現実に直面して逡巡も

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2020年05月04日

「将来的には指導者になりたいから」

ベテランと呼ばれる年齢になった今だからこそ、見せられるプレーがある。何気ないパスにも意図があり、二手三手先を読んだ展開力も。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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――たとえば、JFLや地域リーグのクラブとか?
「本当に自分がそのクラブでやりたいと思えるなら。言い方を変えれば、続けようと思えば続けられるかもしれないけど、辞めようと思えば、辞められるし、辞めたいと思ったら、辞める。今はそういう感じかな」

――可能性がある限り、そう簡単に引退はしない、現役にしがみつくのではないか?
「どうだろう。ただ、将来的には指導者になりたいから。そのためにも、現役中に感じられることって大事になる。ほらこうやるんだよと、ちゃんと手本を見せられるのが一番説得力があるし、いろんな指導者の教え方、試合への持っていき方、モチベーションの上げ方、選手への言葉のかけ方、そういうのをすべて学べるのも現役中だから。だから迷ってますね」

――毎日、どうしようか、どうしようか、と思い悩んでいる?
「いや、そこまで追い詰めていない(笑)。今は世の中が大変な状況で、選手からしてもデメリットはあるけど、そればかりでもないし」

――泰然と構えて、再開を待つしかない。
「リーグの再開が決まっても、1週間とか2週間の準備で試合なんてできるわけがない。試合に向けては、もっとしっかりとした準備が必要になる。日程の問題があるのは分かっているけど、無理にスタートさせて質が低かったら、今年はしょうがないかってなるかもしれないけど、一方で「え?」って思う人もいるはず。それはプロとしてどうなのかと思う。だからこそ、今のこの時間をどう過ごすかが大事になってくる。再開に向けて、頑張ってくれているたくさんの人たちのためにも。何も決まっていない自分からすれば、ゆっくり考えられる時間でもあるかな」
 
――自分と向き合う時間も増えたと思うけど、そこで新たな発見は?
「なんだろう……自分はどうしたいのか、なかなか決まらないもんだなって」

――36歳という年齢になったからこそ、どんなプレーを見せられる?
「パスの質。何気ないパスでも、見ている人にもメッセージが伝わるようなパスは出せるし、そこは気を遣っている。視野の広さや技術の面でも自信はある。走るのは、まあ、なんとか(笑)」

――たとえ動く量が減っても、その分、伸びている部分がある。
「ひとつ、ふたつ先の展開をイメージして、選択肢を2個、3個持っておく。そういうスタイルには変わってきている。たまに“見えすぎて”いて、あ、ここもフリーだって考えて、それで遅れてしまうこともあるけど(笑)」
 
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