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森保ジャパン再検証<FW編>カタール行きの鍵を握る“大迫依存症”からの脱却…解決策のキーマンは?

カテゴリ:連載・コラム

元川悦子

2020年05月02日

最も機能したのは南野の1トップ。しかし2列目の機能性を考えれば…

W杯アジア2次予選では、開幕から4戦4発と絶好調の南野。1トップでも機能するところを見せたが……。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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 9月からスタートした2次予選では、まず初戦のミャンマー戦(ヤンゴン)で大迫が先発。今季ブレーメンで開幕直後の3試合・3ゴールと勢いに乗っていたエースは、無難な仕事ぶりで2-0の勝利に貢献した。ところが、再び大迫はアクシデントに見舞われる。9月18日のクラブでの練習中に右太ももを痛め、またも長期離脱を強いられてしまうのだ。

 あまりにも早すぎる「大迫不在問題」に直面した森保ジャパン。指揮官は10月のモンゴル戦(埼玉)で永井、タジキスタン戦(ドゥシャンベ)で鎌田を1トップに抜擢。なんとか乗り切ろうとした。

 相手との実力差が大きかったモンゴル戦は6-0と難なく勝利。永井も安堵した様子だったが、タジキスタン戦は簡単な試合にはならなかった。相手の想定外の粘りとタフさに手を焼き、前半はむしろペースを握られたと言ってもいいような状況に陥ったのだ。そこで後半に入るや否や、選手自身の判断で南野と鎌田がポジション入れ替えに踏み切る。南野が1トップに入ったことでタメができるようになり、ようやく攻撃に流れが生まれた。役割変更の牽引役となった南野が2ゴールを叩き出し、終わってみれば3-0。現時点では、このオプションが大迫依存症の最善の打開策であることを、指揮官自身も認識したのではないか。

 さらに11月シリーズ(対キルギス戦/〇2-0、対ベネズエラ戦/●1-4)は永井、鈴木という組み合わせで戦ったものの、そのパフォーマンスは大迫の代役を十分に果たせていたとは言えない。それは鎌田にしても同様だ。2次予選に入ってから最も機能した南野の最前線起用も、もともと敵を背負ってプレーするタイプではないだけに、本来のトップ下での起用がベター。2列目の堂安や中島らもやりやすいはずだ。

 若い世代に目を向けても、2019年時点で急成長を遂げていた上田綺世(鹿島)はJリーグ入りしてからは中途半端な状況で、同じ東京五輪世代の小川航基(磐田)や田川亨介(FC東京)もまだまだ未知数と言わざるを得ない。2019年6月のコパ・アメリカ(ブラジル)で存在感を示したベテラン・岡崎の再招集も現実味を帯びてきたと言われるなど、ポスト大迫のベストな人材を見つけられていないのが現実なのだ。

 果たして森保監督は、2021年開始予定の最終予選までに、CFの新たな人材に目星をつけられるのか。理想的なのは大迫が怪我なしでカタールまで走り続けることだが、絶対的1トップも今月18日で30代の大台を迎える。となれば、怪我のリスクはこれまで以上に高まってくる。身体のケアにより一層の慎重さが必要になるのは間違いない。今のところ日本のカタール切符獲得、そして悲願のワールドカップ8強進出の行方は、大迫の状態次第といっても過言ではないだろう。

文●元川悦子(フリーライター)
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