南アでの戦いが終わった後、岡崎は言った「圭佑は、何か持っている」
本田にポジションを奪われたことに対しても冷静だった。
「圭佑に1トップを取られたのは悔しいですし、欲を言えば試合に出たい。いろいろ思うところはあるけど、チームが勝つためには仕方がない。スタメンじゃないけど、圭佑に負けたという気持ちはないです。ポジティブに考えれば、力をためて途中から出て、爆発させてやろうと思っているんで」
カメルーン戦で決めた決勝ゴールについても「あそこで冷静に決めるのは凄い。ワンチャンスで決めるのはFWの一番理想的なゴール」と、ストライカーとして結果を出した本田を認めていた。
ふたりがともに結果を出したのは、デンマーク戦だった。
その試合、本田はシュートを撃たずに岡崎にパスをして、3点目のゴールをアシストした。友情のゴールに見えたが、本田は「あそこでパスを出してしまうことはストライカーとして、どうか。当然ダメでしょう」と試合後、厳しい表情を見せた。のちにモスクワで、本田に「なぜ、あそこで岡崎にパスを出したのか」と聞いたことがあった。本田は「それを話すと長くなるんで、また今度」と言ったが、その答えはまだもらっていない。
岡崎は、ウズベキスタン戦でヒーローになり、「ワールドカップでは自分が中心になって戦いたい」という決意表明もした。中山雅史以来の泥臭いゴールが似合う男のプレーに、多くのファンが期待した。しかし、指揮官の大胆な決断によってエースの座を失った。一方、本田は南アフリカ・ワールドカップで大活躍し、一気に日本のエースになった。
「圭佑に1トップを取られたのは悔しいですし、欲を言えば試合に出たい。いろいろ思うところはあるけど、チームが勝つためには仕方がない。スタメンじゃないけど、圭佑に負けたという気持ちはないです。ポジティブに考えれば、力をためて途中から出て、爆発させてやろうと思っているんで」
カメルーン戦で決めた決勝ゴールについても「あそこで冷静に決めるのは凄い。ワンチャンスで決めるのはFWの一番理想的なゴール」と、ストライカーとして結果を出した本田を認めていた。
ふたりがともに結果を出したのは、デンマーク戦だった。
その試合、本田はシュートを撃たずに岡崎にパスをして、3点目のゴールをアシストした。友情のゴールに見えたが、本田は「あそこでパスを出してしまうことはストライカーとして、どうか。当然ダメでしょう」と試合後、厳しい表情を見せた。のちにモスクワで、本田に「なぜ、あそこで岡崎にパスを出したのか」と聞いたことがあった。本田は「それを話すと長くなるんで、また今度」と言ったが、その答えはまだもらっていない。
岡崎は、ウズベキスタン戦でヒーローになり、「ワールドカップでは自分が中心になって戦いたい」という決意表明もした。中山雅史以来の泥臭いゴールが似合う男のプレーに、多くのファンが期待した。しかし、指揮官の大胆な決断によってエースの座を失った。一方、本田は南アフリカ・ワールドカップで大活躍し、一気に日本のエースになった。
南アフリカでの戦いが終わった後、岡崎はこう語った。
「圭佑は、何か持っている。ただ、俺もこのままで終わらない。ここからが大事だと思う」
奇しくも、それはウズベキスタン戦で本田が語ったのと同じ言葉だった。
そして、これから4年後、ふたりはブラジル・ワールドカップでともに主力として戦うことになる。
文●佐藤 俊(スポーツライター)