なぜ岡崎は本大会直前でレギュラーの座を奪われたのか?
そして、2010年南アフリカ・ワールドカップ本大会直前、ふたりはレギュラーとなる。本番前の親善試合のイングランド戦、コートジボワール戦では岡崎が1トップ、本田は右MFに入り、4-1-4-1のシステムで行くことが決まった。
ところが大会初戦のカメルーン戦、岡崎の名前がスタメンになかった。本田が1トップに入り、岡崎は自分のポジションを最後に失ったのである。
なぜ、岡崎はレギュラーの座を僚友に奪われたのか。岡崎は、冷静に自己分析をしていた。
「チームとしては、自分が裏に抜けていくプレーではなく、引いて来てボールをキープして、他の選手が前に出て行ったり、裏に抜けて行くのを助けることを要求された。受けてもボールの出しどころがよく分からなかったし、自分は今までそういうプレーをやっていなかった。1トップで、それまでやってきたようにいかなくなって、自分の持ち味が出せなくなってしまった。だからなのかなって思うけど、自分のプレーが落ちたとは思っていない」
ところが大会初戦のカメルーン戦、岡崎の名前がスタメンになかった。本田が1トップに入り、岡崎は自分のポジションを最後に失ったのである。
なぜ、岡崎はレギュラーの座を僚友に奪われたのか。岡崎は、冷静に自己分析をしていた。
「チームとしては、自分が裏に抜けていくプレーではなく、引いて来てボールをキープして、他の選手が前に出て行ったり、裏に抜けて行くのを助けることを要求された。受けてもボールの出しどころがよく分からなかったし、自分は今までそういうプレーをやっていなかった。1トップで、それまでやってきたようにいかなくなって、自分の持ち味が出せなくなってしまった。だからなのかなって思うけど、自分のプレーが落ちたとは思っていない」
ウズベキスタン戦でのゴールは裏に抜けるタイミングとパサーとの呼吸がピタリと合致したゴールだった。病で倒れたオシム監督の後を引き継いだ岡田武史監督は、南アフリカ・ワールドカップ・アジア最終予選で攻撃的なサッカーを展開していた。その軸になっていた岡崎は相手と駆け引きしながら常に裏を狙っていた。それがあの攻撃的なチームの主な点の取り方のひとつであり、だからこそ岡崎は自分の良さを出すことに集中し、点が取れていた。
だが、ワールドカップでこのままでは強豪国に勝てないと判断した岡田監督は、それまでの戦い方を180度転換させた。そうなれば役割も異なる。強靭な肉体を持つ本田のようにボールを収め、味方の押し上げを助ける仕事は、岡崎がそれまで求められていた仕事とは異なった。そのため、レギュラーポジションを失った。しかし、求められているものが違うだけで能力が劣っているわけではない。岡崎の選手としてのプライドが、このコメントから窺えた。