初戦・ミャンマー戦(ヤンゴン)は期待の三銃士のうち、中島と南野がゴール。とりわけ、中島の先制弾は高度な創造性と技術が凝縮されたものだった。この1年間でポルティモネンセからアルドゥハイル、ポルトと3クラブを渡り歩き、試合に出たり出なかったりを繰り返し、6月のコパ・アメリカ(ブラジル)でも空回りが目立った彼だが、この一撃で森保監督の信頼を取り戻した印象だ。
南野の方はこの一撃を機に「日本最大の得点源」へと変貌を遂げることになる。10月のモンゴル戦(埼玉)の先制弾、タジキスタン戦(ドゥシャンベ)の2ゴール、11月のキルギス戦(ビシュケク)の先制点と4戦5発というゴールラッシュを見せたのだ。予選4戦連続弾は、93年アメリカ・ワールドカップアジア予選でカズ(三浦知良/横浜FC)が達成した3戦連続弾を26年ぶりに塗り替える偉大な記録。ミャンマー戦直前のパラグアイ戦(鹿島)の1点も含めると、国際Aマッチ5試合連続ゴールという傑出した数字を残すことに成功したのだ。
2次予選で南野が覚醒!一方で堂安はPSV移籍後調子が上がらず
「試合に出る限りは自分がやらないといけないという責任感はいつも持ってプレーしてますけど、正直、誰がゴールをしてもチームとして勝つことが最優先。自分の結果がチームの勝利より先に来ることはないので、これからもそういう考えでやっていければいい」と本人はあくまでフォア・ザ・チームの精神を前面に押し出したが、アジアカップで一度地獄を見て、チャンピオンズ・リーグ(CL)でも結果を出したことで、人間的にもアタッカーとしても一回り成長したのかもしれない。今後、リバプールでどのような立場を得られるかにもよるが、体得した得点感覚をより一層、研ぎ澄ませるように努めてほしい。
彼ら2人に比べると、堂安は壁にぶつかっている印象だ。8月のPSV移籍後は出場機会もまちまちで、2020年になってからは大きな苦境に直面している。若い選手は好不調の波がある分、コンスタントに結果を残すのは難しいが、足踏み状態からどう抜け出すかを今こそ真剣に模索するべきだ。