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なぜマンCはUEFAに罰せられるのか? パリSGらの“スケープゴート”にされた可能性も――CL追放騒動を追う【現地発】

カテゴリ:メガクラブ

サッカーダイジェストWeb編集部

2020年02月25日

「UEFAは品行方正のふりをしている…」

シティはアグエロ(手前)やスターリング(奥)など主力の複数退団も噂されている。 (C) Getty Images

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 だからこそ、シティは「スケープゴートにされた」と強く感じており、断固反発するつもりである。2014年以来、UEFAを毛嫌いしているサポーターは一連の騒動により、欧州サッカーを司る組織に対してこれまで以上の憎悪を表している。直近のリーグ戦2試合では「UEFAはマフィア」や「UEFAはカルテル」といった横断幕が見られた。

 40年以上にわたりシティ一筋で応援してきた友人のリチャードに話を聞いてみると、やはり同様の意見だった。

「UEFAは品行方正のふりをしているが、彼ら自身が汚職を繰り返してきた。昨年には、ミシェル・プラティニ前会長がフランス当局に再び身柄を拘束されているし、アル・ケライフィもつい最近スイスで追訴されていた。だからこそ、彼らのやり方をより腹立たしく思うし、多くのシティ・ファンがそういう気持ちなんだ」

 とはいえ、リチャードを含めてシティに関わる多くの人は、「アピールしたからといってクラブが全面勝訴することはない」と現実的だ。なんらかの処分は下されるが、おそらく2季の出場停止は免れて、例えば1年+罰金というのが大方の予想である。

 要因は、やはり絶対的な証拠を提出できていなかったクラブ側の弱い立場を考慮して、だ。そうした背景もあって、UEFAは「クラブが協力的ではなかった」ことを理由の一つに挙げて、今回の処分に至ったのである。
 

 しかし、UEFAの決定から5日後の2月19日、シティのフェラン・ソリアーノCEOが行なったインタビューからでてきた言葉はあくまで強気なものばかりだった。

「申告されていない資金をオーナーが注入したことは決してない。このクラブは借金もなく、収益を上げている持続的な健全なフットボールクラブだ。会計は幾度となく監査が入り、すべては完璧にクリアになっている」

「(調査に協力しなかったというが)プロセスのすべてで協力をし、多くの書類を提出した。これらの書類は、我々が正しかったという確固たる証拠になるはずだ。情報をメディアにリークされる可能性がある中で行ってきたことだから、容易ではなかった。しかし問題を議論する以前からUEFAは我々が有罪だと考えていたようだが、あくまでこれはUEFAの内部的な過程から下した判断だ」

「我々は書類を証拠として提出したが、FFPの調査委員会が信じたのは一部の盗まれてきたメールで、実際に起きたことが記されている我々の書類ではなかった。我々の経験から考えると、これは真実や正義は関係なく、政治的な意図が強い」

 ソリアーノCEOを含むクラブ上層部と話をしたというジョゼップ・グアルディオラ監督も、「クラブは戦わなければならない。すべて説明を受けているし、私はクラブを100パーセント支持する」と潔白を信じて疑わない。さらに「我々はピッチでプレーし続けるだけ」とし、今シーズン限りでチームを去るという噂についても「何があろうと、クビにされない限りは、私からクラブを去ることはない」と一蹴した。

 巷ではプレミアリーグおける処分についても話が出ており、該当シーズンのリーグ戦での勝点剥奪や、下部リーグへの降格との話も出ている今回の騒動。果たして、プレミアリーグの盟主とも言える存在となったシティを待ち受けるのはどのような結末か。しばらくは目が離せない状況が続くことになる。

取材・文●松澤浩三
Text by Kozo MATSUZAWA
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