なぜマンCはUEFAに罰せられるのか? パリSGらの“スケープゴート”にされた可能性も――CL追放騒動を追う【現地発】

カテゴリ:メガクラブ

サッカーダイジェストWeb編集部

2020年02月25日

訴えられたシティ幹部の総意は?

パリSGのアル・ケライフィ会長(左)とマドリーのペレス会長(右)には、新たな疑惑の目が向けられている。 (C) Getty Images

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 結果的にこれが引き金となり、その後、UEFAは調査に乗り出すことを発表。そして調査の末に、クラブが主張したスポンサー収入を含む歳入額が正しくなく、オーナーであるシェイク・マンスール率いるアブダビ・ユナイテッド・グループが大幅に負担していたと判断され、今回の厳罰に至った。

 それにしても、2シーズンにわたる欧州カップ戦出場権の剥奪という大厳罰は、誰も考えていなかったところだ。それは、昨年の11月末に、アメリカの投資会社『シルバーレイク』がシティの運営会社である『シティー・フットボール・グループ(CFG)』の10パーセント強となる株式を5億ドル(約550億円)で取得したことからも窺える。

 シルバーレイクは確固たる実績を持つファンド会社として知られており、それだけのビッグファンドが、安易にCFGの企業価値を48億ドル(約5280億円)と評価するとは考えにくい。当然、様々な面で“裏”を取り、なんらかの形で将来的にUEFAからの制裁があることも見越していたはずだ。

 しかし、それだけの大手企業でさえも、来シーズンから2年間もチャンピオンズ・リーグに出場できない可能性が出てくることは、予想できていなかったのだろう。

 また、今回の発表を遡ること3か月前の11月14日。アメリカのウェブスポーツメディアの新興勢力『ジ・アスレチック』でシティ番を務めるサム・リー記者と、同サイトでスポーツ関連の調査報道記者として活躍するマット・スレーター記者は、様々な角度から分析した共著の記事内で、「シティはFFPの影響で欧州カップ戦への出場を禁止されることはない」と断言していた。
 
 クラブ内の関係者も含め、フットボールに携わる大方の人間が、「シティは罰金もしくは新選手獲得の制限されることになる」と考えていた。しかし、現実は違った。

 シティには、予想されていた以上の処分が下されたわけだが、その裏には“昔からの”「エリートクラブの働きかけがあったはず」というのが、シティ幹部やクラブに近しい人間の総意だ。レアル・マドリー、バルセロナ、バイエルン・ミュンヘンに加えて、イングランドのクラブ、さらに昨年にFFPの制裁を免れていたパリ・サンジェルマンも、UEFAに訴えかけていたと睨んでいる。

 特にパリSGの会長を務めるナセル・アル・ケライフィは、欧州クラブ協会が送り出す2人の代表の一人として、UEFAの執行委員も務めている。現在、同協会に名を連ねるのは、10年前にFFP導入に賛同したトップクラブの幹部ばかりである。

 当時、FFP制度の公の目的は、各クラブが身の丈にあった経営をして、借金まみれになることを未然に防ぐことにあった。だが一方で、例えばレアル・マドリーやバルセロナ、マンチェスター・ユナイテッドといったビッグクラブが天文学的な額の借金をしても問題定義されることはなく、この制度自体を懐疑的に見て、問題視する声も少なくなかった。

 さらにユベントスはクラブオーナーであるアニェッリ家が経営するフィアット・クライスラー・オートモービルズの子会社であるジープ社にスポンサードされ、バイエルン・ミュンヘンにはアディダスとの微妙な関係性もある。そして言うまでもなく、パリSGはカタール政府が出資する国の投資庁がオーナーを務めている。ちなみにアル・ケライフィは、これまでに汚職疑惑により訴訟を起こされたこともある人物だ。

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