一時的な変化である可能性もあるが…
もちろん今のモウリーニョが見せている変化は、シーズン途中での就任であり、時間がないために自身の哲学を植え付けられなかっただけかもしれないし、モチベーションを高めるために攻撃的に振る舞っていることも考えられる。
ただ、前述したように、モウリーニョ自身もこれまでのやり方を反省し、改善しようとしているのは、紛れもない事実である。
そうした意図を汲み取る意味でも、アシスタントコーチがキャリアではじめて変わった点は興味深い。これまで約17年間も苦楽をともにし、「モウリーニョの頭脳」とまで言われたルイ・ファリアではなく、リールでアシスタントコーチを務めていたポルトガルの新進気鋭の指導者であるジョアン・サクラメントを強引に引き抜いたのである。
ただ、前述したように、モウリーニョ自身もこれまでのやり方を反省し、改善しようとしているのは、紛れもない事実である。
そうした意図を汲み取る意味でも、アシスタントコーチがキャリアではじめて変わった点は興味深い。これまで約17年間も苦楽をともにし、「モウリーニョの頭脳」とまで言われたルイ・ファリアではなく、リールでアシスタントコーチを務めていたポルトガルの新進気鋭の指導者であるジョアン・サクラメントを強引に引き抜いたのである。
現在30歳のサクラメントは、モウリーニョが標榜する「戦術的ピリオダイゼーション」の心棒者であり、指導者育成に定評のあるウェールズの大学出身で、モナコでレオナルド・ジャルディムとクラウディオ・ラニエリの下、分析官を務めていた切れ者だ。間違いなくモウリーニョに対して新しいアイデアを供給しているはずである。
失点数が多いのはやや気掛かりではあるが、これまでと異なる振る舞いを見せているモウリーニョにトッテナムが、どのように色づけされていくのか。その改革の行方から目が離せない。
文●内藤秀明(プレミアパブ)
text by Hideaki NAITO