リアル“南葛SC”、成長と勝利の同時追求を掲げた2019年シーズンの軌跡を振り返る

カテゴリ:特集

伊藤 亮

2019年11月29日

選手たちが自発的に考え、動く意義

シーズンが深まるにつれてチーム内からは自発的にミーティングを求める声も上がったという。安田キャプテンも「間違いなくいいこと」とポジティブに捉えた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 シーズンが進むにつれ、選手たちが自発的に集まり話し合いをするシーンが出てきたのも忘れてはいけない。6月の第8節の東京蹴球団戦後には、選手たちからの声で決起集会が開かれた。さらに、9月に入って第12節のアローレ八王子戦後には、練習後に選手だけのミーティングが行なわれた。

 決起集会や選手たちだけのミーティングは、チームの団結力を高める上で、Jリーグの各クラブや日本代表で行なわれているとはよく聞く話だ。しかし、所属選手の大半が平日にはそれぞれ仕事を持っている南葛SCの現状を考えれば、全員が同じタイミングで集まることは非常に難しい。それでも選手から自発的に、なんとか都合をつけ集まる機会を設けた意義は非常に大きかったはずだ。

 安田キャプテンも「こういう話が出てくるのはチームとしては間違いなくいいこと」と言っている。選手たちが自ら集まる機会が設けられることで、柴村選手兼コーチが言う「ピッチでプレーするのは選手たちですから、プレーしやすい状態に自分たちで調整していく」状態が整えられていくはずだ。

 順風満帆とは言えなかった南葛SCの2019年シーズン。しかし、そこには確実に成長の跡があった。さらに、課題を洗い出し、具体的な対策を打っていたことも確かだ。だが、それでも目標とする結果を伴うことはできなかった。それはなぜなのか。後編では、南葛SCが直面したチームの難しさについて振り返ってみたい。
(文中敬称略)

取材・文●伊藤 亮

※第2回に続く。次回の掲載は12月6日(金)の予定です。

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