決起集会や選手たちだけのミーティングは、チームの団結力を高める上で、Jリーグの各クラブや日本代表で行なわれているとはよく聞く話だ。しかし、所属選手の大半が平日にはそれぞれ仕事を持っている南葛SCの現状を考えれば、全員が同じタイミングで集まることは非常に難しい。それでも選手から自発的に、なんとか都合をつけ集まる機会を設けた意義は非常に大きかったはずだ。
安田キャプテンも「こういう話が出てくるのはチームとしては間違いなくいいこと」と言っている。選手たちが自ら集まる機会が設けられることで、柴村選手兼コーチが言う「ピッチでプレーするのは選手たちですから、プレーしやすい状態に自分たちで調整していく」状態が整えられていくはずだ。
順風満帆とは言えなかった南葛SCの2019年シーズン。しかし、そこには確実に成長の跡があった。さらに、課題を洗い出し、具体的な対策を打っていたことも確かだ。だが、それでも目標とする結果を伴うことはできなかった。それはなぜなのか。後編では、南葛SCが直面したチームの難しさについて振り返ってみたい。
(文中敬称略)
取材・文●伊藤 亮
※第2回に続く。次回の掲載は12月6日(金)の予定です。
Supported by KLabGames
