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「最高のチームが最弱のチームに負けた」「西川は居眠り」U-17日本代表の“早すぎる”敗退をブラジル人記者が嘆いたワケ【現地発】

カテゴリ:日本代表

リカルド・セティオン

2019年11月09日

なぜ交代がこれほど遅れたのか、まったくもって謎

 この試合のポセッションは日本62%、メキシコ38%。日本の方がボールを支配していたが、ベストの状態からは程遠かった。72分に若月が決定機を逃がすと、日本はまるで守備することを忘れてしまったかのようだった。

 メキシコはそれを見逃さず、それまで何もしていなかったサンティアゴ・ムニョスがGK鈴木との1対1を制し、日本は0‐2とされた。完璧に崩壊したようなチームで諦めていなかったのは若月だけだった。

 残り11分になって森山監督がやっと選手を交代させたが、まさに「遅きに失す」という言葉がぴったりだった。たった11分でいったい何ができると言うのか。いったいなぜ交代がこれほど遅れたのかまったくもって謎である。
 
 期待の西川はこの試合、最後までいないのも同然だった。これまでの活躍を知っていたサポーターは彼の名前を呼んでいたが、モチベーションも感じられず、ミスを連発していた。

無意味な動き、照準のあっていないシュート、誤った判断、力のない攻撃……。まさに日本は舵を失った船の様だった。

 こうしてU-17W杯は日本というクオリティの高いチームを失ってしまった。アメリカもオランダもすでに消えてしまい、大会は寂しいものになってしまった。もうブラジルの子供たちが叫ぶ「ニッポンコール」を聞くこともできない。

日本の夢は、豪雨とともにブラジルのピッチに消えてしまった。

取材・文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子

【著者プロフィール】
リカルド・セティオン/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。
8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。
 
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