振り返ってみれば、マルセイユが最後に「ル・クラシック」でパリSGに勝利したのは、2011年11月のヴェロドロームにまで遡り、もう8年も勝てていない。一方でキリアン・エムバペは、「ル・クラシック」で4戦連続ゴールした史上初の選手という輝かしい記録を打ち立て、両チームの明暗はくっきりと分かれた。
だが、ヴィラス・ボアス監督は大敗に怯むことなく、「今季のマルセイユの目標は表彰台(3位以内)」と断言。サムライ戦士も決して、心が折れたわけではない。
「エムバペやディ・マリアといったワールドクラス、彼らと対峙することが大事で、抜かれることも大事。そこから何を得るかが、一番重要なんです。ここで落ち込むか、ここで何かを得るかで、これからが全然違ってくる。僕は、後者でありたい」
複雑な気持ちを抱え、苦悩しながらも前を向き続ける。その繰り返しを厭わない酒井だからこそ、この舞台で戦い続けられるのだろう。
テキスト・結城麻里
text by Mari Yuuki