引退後はアカデミーの指導者に?
その中でも胸を張って誇れることは「2年間は京都にお世話になりましたけど、18年間このクラブのエンブレムを背負って闘えたこと」だという。セレクションに2回落ちてもあきらめず、3度目で合格したクラブへの愛は、引退後も色褪せるどころか輝きを増していくことになりそうだ。まだ確定の話ではないが、佐藤勇はアカデミーに関わりたいという意向をクラブに伝えている。
「もしかしたら自分の背中を見てアカデミーの子どもたちが、将来のジェフのために『俺らがトップチームを強くしてやるんだ』『魅力あるクラブにしてやるんだ』という思いを少しでも持ってくれて、それを目指してくれたらと思います。1人でも多くトップを目指してくれる選手が出て来た時に、自分のサッカーキャリアは後悔から喜びに変わるかもしれません」
「もしかしたら自分の背中を見てアカデミーの子どもたちが、将来のジェフのために『俺らがトップチームを強くしてやるんだ』『魅力あるクラブにしてやるんだ』という思いを少しでも持ってくれて、それを目指してくれたらと思います。1人でも多くトップを目指してくれる選手が出て来た時に、自分のサッカーキャリアは後悔から喜びに変わるかもしれません」
30代になって、それまでの感覚と自分の身体の実際の動きのギャップに苦しむ時期を乗り越え、持病化している腰痛を回復させるために手術もした。会見では現役引退の理由のひとつが満身創痍であることは否定したが、サプライズの花束贈呈に登壇した佐藤寿は、その後、別の場での取材で「あれは強がりです。僕だったらプレーできないほどの痛みがある」と明かした。
それでも、佐藤勇は現役引退の瞬間まで誰より走るだろう。そして、現役を退いても愛するクラブのために走り続けていく。
取材・文●赤沼圭子(フリーライター)
それでも、佐藤勇は現役引退の瞬間まで誰より走るだろう。そして、現役を退いても愛するクラブのために走り続けていく。
取材・文●赤沼圭子(フリーライター)