「過酷」なアウェー8連戦を選手はどう捉えているのか
23節までの戦いぶりで判断するかぎり、大崩れしそうな気配はない。事実、室屋も「これまで苦手意識があったC大阪や仙台に勝てたのは大きな自信になる。チームとして勝ち方を掴んできている感覚はあります」と手応えを口にしている。
それでも、このまま逃げ切れる、とは現時点で断言できない。なぜなら、24節から“アウェー8連戦”が控えているからだ。
今年はラグビー・ワールドカップが日本で開催される関係で、シーズン終盤戦において味の素スタジアムをほとんど使えない。FC東京はホームゲームをすでに15試合消化しており、今季、味の素スタジアムで戦えるのはあと2つ、11月23日の湘南戦と同30日の浦和戦だけだ。
ちなみに、G大阪とのルヴァンカップ準々決勝の第2戦(ホーム扱い)もNACK5スタジアム大宮で戦う予定である。
アウェー8連戦の具体的なスケジュールは以下のとおり。
24節・札幌戦(8月24日)
25節・名古屋戦(同30日)
26節・鹿島戦(9月14日)
27節・松本戦(同29日)
28節・鳥栖戦(10月5日)
29節・神戸戦(同19日)
30節・大分(11月2日)
31節・磐田戦(同9日)
で、川崎や浦和といった“近場でのアウェーゲーム”がないのは気掛かりだ。総移動距離は相当なもので、それだけで選手にかかる負担はまずまず大きいだろう。
「過酷」とも表現できるアウェー8連戦を当の選手たちはどう捉えているのか。この質問を東や橋本らFC東京の主力数人にぶつけたところ、返ってきた答は同じ。
「やったことがないので、なんとも言えません」だった。まさに未知との戦いになるわけだが、リーグ優勝へのポイントのひとつは24節からの3試合を上手く乗り切れるかになるだろうか。
まず札幌で躓くと、公式戦3連敗と精神的に追い込まれる可能性がある。札幌の地では昨季に2-0からひっくり返されて逆転負けした苦い記憶もある。その記憶を消し去るためにも、終盤戦に弾みをつけるためにも、アウェー8連戦の初戦は勝っておきたい。
その6日後に戦う名古屋との戦術的な相性は決して悪くない。今季4節のホームゲームでは、名古屋のハイラインを文字通りの速攻で打ち破り、永井の決勝弾で勝利を手にしている。ただ、油断は禁物だ。22節の試合で川崎を3-0と圧倒したように、ツボにハマった時の名古屋は脅威。攻撃のキーマンになるだろう前田直輝や和泉竜司を抑え込めないと、苦しい戦いを余儀なくされそうだ。