【鳥栖×G大阪|戦評】下位対決で勝敗を分けたのは“タスクの明確化”だ

カテゴリ:Jリーグ

志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

2019年05月12日

宮本監督はタスクを与えていないわけではない。

勝利が遠い宮本監督は試行錯誤を続けている。写真:徳原隆元

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 組織の中で個々の役割が共有できていないG大阪は「チグハグ」だった。一方、その役割が「ハッキリ」していた鳥栖。下位対決の勝敗を分けたのはタスクの明確化だ。

 ただ、ここで触れておきたいのは、G大阪の宮本恒靖監督が選手に何のタスクを与えていないわけではないということ。昨季は17節終了後に途中就任し、レヴィー・クルピ前監督の下でルーズだった守備で約束事を与え、攻撃もポジショニングなどで規律を作った。その後、クラブタイ記録に並ぶ9連勝を成し遂げたことは、忘れてはならない。ルイス・カレーラス前監督からバトンを引き継いだ金明輝監督と同じような状況から、チームを建て直した実績のある監督なのだ。
 
 2年目は主な即戦力がキム・ヨングォンくらいで、G大阪のメンバーはほとんど変わっていない。そこで宮本監督が強化をしたのは戦術面で、今季は開幕直後に速攻と遅攻の使い分けをテーマに掲げていた。しかし、結果としてはタスクが増え過ぎたあまり機能せず、今ではポゼッションするのか、堅守からのカウンターに出るのか、攻撃のベクトルを見失ってしまった印象を受ける。
 
 対戦相手が対策を講じてくるため、戦術面の進化が必要だっただろう。裏を返せば、金明輝新監督の下で23試合を残す鳥栖も、いずれはG大阪と同じ轍を踏むリスクが潜んでいる。

 タスクは明確過ぎれば相手に対策をされてしまうが、増え過ぎたら選手がオーバーワークになってしまう。互いに今後の戦いへのヒントが隠されていたゲームだった。
 
取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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