躍動した南野と沈黙した北川――ふたりの出来を分けた”決定的な差"とは|アジア杯

カテゴリ:日本代表

清水英斗

2019年01月15日

代表チームはパッと意志を合わせて戦うのが宿命

 北川という選手は、お互いがガチャガチャと入り乱れる混沌とした試合では、フリックやターンといった即興のひらめきで、違いを見せる。それは特筆すべき能力だ。
 
 ところが、このオマーン戦のように、パスの出し手に余裕があり、たくさんの選択肢の中から「どれか」を決める状況になると、即興で合わせる北川の調整力が、「どうしたいねん!」になってしまう。味方に合わせようとしすぎて、お互いにどれも選べない。決められない。まるで道端で対面した人が、左に避けようとしたら、向こうも左に避けてしまうような。そんな噛み合いの悪さがあった。
 
 それでもクラブチームなら、毎日を共に過ごすうちに、阿吽の呼吸が生まれる。意思表示をしなくても、分かり合う空気が出来るから、それほど問題ではない。

 だが、これは代表チームだ。パッと集まり、パッと意志を合わせて戦うのが宿命。コミュニケーションや、すり合わせなしには成立しない。代表でプレーするために、必要な能力が、北川には決定的に欠けている。
 
 もちろん、最初に書いたとおり、オマーン戦で活躍できなかった要因のひとつは、ポジションだ。不慣れな1トップだったことは影響している。だが、それだけではない。彼が何をしたいのか、味方を戸惑わせたまま、56分を過ごしたことは重く受け止めるべきだろう。
 
 彼がこのアジアカップから、何かを持ち帰るとしたら、まさにこの点ではないかと個人的には思う。期待している。
 
文●清水英斗(サッカーライター)
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