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【黄金世代・復刻版】小笠原満男がキャリアのすべてを語る「誕生、東北のファンタジスタ」(#1)

カテゴリ:Jリーグ

川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

2018年12月29日

次元が違う。一瞬にしていろんなものが打ち砕かれた。

全国へ行くなら盛岡商、サッカーを学びたいなら大船渡。ミツオ青年は後者を選び、齋藤重信監督(右)の薫陶を受けるのだ。写真は高3時の高校選手権。(C)SOCCER DIGEST

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 高校進学は、ひとつの岐路だった。
 
 地元の盛岡には、名門の盛岡商業高校がある。だが小笠原には気になる人物がいた。盛商を強豪に育て上げたのちに大船渡へ転勤した齋藤重信監督で、その名伯楽の薫陶を受けたいとも考えていたのだ。
 
 全国に出るなら盛商、サッカーを教えてもらうなら大船渡。15歳は決断する。
 
「最終的には巧くなりたいってのがあったから、齋藤先生のお世話になろうと決めた。結果的には全国にも行けたし、大船渡を選んで本当に良かったと思う。まあまあ中3の頃って、なにかと多感じゃないですか。親にも反抗的だったし、親元を離れてみたいとも思ってた。
 
 それが齋藤先生の家に住ませてもらったら、もっと厳しくてさ(笑)。きちんと靴を揃えたり、料理を作ったりとか、当時はきつかったけど、いまとなっては感謝しかない。ひとりでなんでもできるようになったからね」

 
 大船渡は決して強豪校ではなかった。同級生には、中学時代に野球をやっていて、高校でサッカーを始めた初心者も少なくなかったという。そんな選手たちが最終的にレギュラーの座を掴み、ともに成長しながら全国の舞台をも駆け抜けた。ひとつの財産だと、嬉しそうに振り返る。
 
「もうね、サッカー始めた動機からして、ボウズが嫌だとか、サッカーの方が人気あるからみたいな感じだから。でも、さっきのキヨショウとの試合もそうだけど、本当に楽しかった。レギュラーのうち3人は、中学校までショートとキャッチャーと外野だからね。キャッチャーはやっぱりがっちりしてて当たりに強かったし、ショートはキーパーだったんだけど、横に飛んで捕るのに慣れてるからすんごい巧かった。強いチームで全国に出るのは当たり前。だけど俺らの場合は、そこに至るまでの過程が本当に楽しかった」
 
 高校入学前から、東北のユース年代では知らぬ者がいないほど有名だった。やがて、日の丸に初めて招集される。中3時のU-16日本代表だ。
 
 そこで初めて、小野や稲本潤一、高原直泰らとの出会いを果たす。つまり小笠原は、黄金世代が産声を上げた当初からのメンバーだったのだ。
 
 しかし──。
 
「とんでもない。次元が違う。一瞬にしていろんなものが打ち砕かれた」
 
 その代表合宿で15歳のミツオは、いったいなにを目撃したのだろうか。
 
<#2につづく>
 
取材・文●川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)
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