【黄金世代】第3回・小笠原満男「18歳の決断~なぜ常勝・鹿島を選んだのか」(#3)

カテゴリ:特集

川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

2017年06月28日

どことやっても上回れた。大きな自信になったよね。

第3弾となる今回は、ワールドユースでの快進撃を回顧し、鹿島入団にまつわる秘話を明かしてくれた。写真:佐野美樹

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 ワールドユース開幕を目前に控え、小笠原満男はフィリップ・トルシエ監督の信頼を得て、先発の座を確保していた。

 フラット3の前にアンカーを置き、ダブルトップ下と両ウイングバックが横一線に並び、最前線には2トップが構える。その3-1-4-2システムで、小笠原は小野伸二とともに、2列目でコンビを組んだ。
 
「大会が近づいても、いいのかな俺でって感じだった。もちろん嬉しいんだけど、先発を獲ったって実感はなかったんだよね。で、トルシエはこう言った。『小野は攻撃が7、守備が3。お前は攻撃が3、守備が7だ』って。
 
 まあ逆じゃ守備は成り立たないと思ってたし、シンジのチームだから、俺はその周りを動きながらってイメージはできた。ちょうど鹿島で、ビスマルクとやってたしね。彼を押し立てるようにプレーしてたから、同じような関係だなと思って。違和感はなかったし、異議もなかった。チームのためと思って納得してたよ」
 

 U-20日本代表はグループリーグ初戦でカメルーンに逆転負けを喫したものの、その後はアメリカとイングランドを連破し、決勝トーナメントに進出。快進撃は止まらず、ポルトガル、ウルグアイ、メキシコと強豪をなぎ倒し、ついに決勝にまで駒を進めた。
 
「結果を見てもそうだけど、ボール回しとか試合内容でも上回れたというところで、すごく充実感があった。それまで日本が世界で戦う時って、なんとか耐えて耐えて1点取って勝つってのがイメージとしてあった。アトランタ五輪でブラジルに勝った時とかもそうだったよね。試合内容で勝ったかというとそうではない。それがワールドユースでは、どことやっても内容でも上回れた。あれは俺らにとって本当に大きな自信になったから」
 
 そんななか、小笠原はひとりの選手の振る舞いに感銘を受けていたという。鹿島アントラーズで僚友となっていた曽ケ端準だ。
 
 彼は3番手のGKとして帯同していたが、唯一のバックアップメンバーだった。つまり、榎本達也か南雄太が怪我でもしないかぎり、大会にはエントリーされない。メンタル面で相当に追い込まれていたはずだ。
 
「ベンチにさえ入れないから、最初は早く帰りたいって感じだったけど、本当によく俺らを盛り立ててくれてさ。準々決勝の前だったかな、『ここまで来たら絶対勝てよ』ってみんなに言ってて。あいつのためにも頑張らないとなって思ったよね。勝てば勝つほどチームがひとつになっていった。勝ってまとまっていくってこういうことなんだって、実感できた」

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