【2014南関東総体】京都精華女子が実践する「最新理論」と「笑顔」

カテゴリ:高校・ユース・その他

吉村憲文

2014年07月28日

邪道とされた評価から一転、注目が一気に高まる精華流。

インターハイの出場権を懸けたPK戦でも、京都精華女子の選手たちは笑顔を絶やさなかった。

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 越智監督がライフキネティックという言葉に出会ったのはごく最近のこと。それまでは彼自身も「邪道ですから」と語り、関係者の間でも「精華は風変わりな練習をしている」の一言で片付けられていた。
 
 しかし精華流が、チーム成績に反映されているのは事実。最近ではその取り組みの面白さがネットや口コミで伝わり、全国の指導者が京都に日参するという現象も生まれている。
 
 また、精華流はこれだけにとどまらない。重要な試合の前でも、ミーティングはなし。戦術練習もほとんどしない。公式戦の先発メンバーは、試合直前のアップ中に選手個々に伝え、練習試合のメンバーは基本的に選手自身が選ぶ。なにからなにまで常識破りだ。
 
「選手を集めてミーティングをして、『分かったか?』『はい!』みたいなことをやっても、どこまで伝わっているかなんて怪しいもんです。それだったら、普段の練習の時から選手一人ひとりに声を掛ける。そうすると『自分を見てくれているんだ』って安心感が生まれます。やらされているという鎧を、取り去ってあげるのが大切なんだと思います」(越智監督)
 
 その結果、なにが起きるのか。「例えばゲームで押されていても、攻撃となったら一気に攻めのギアが入る。なぜそれができるのか。そこは彼女たちの意識を日常から刺激できているからだと思うんです。そのスイッチを入れることが僕の仕事だと思っています」(越智監督)
 
 独自のリフティング練習などを通じ、判断力を上げ、ここぞという試合のポイントが分かるようになる。眉唾だと思うかもしれない。しかし一度、彼女たちの試合を見てもらえば、きっとその意味が分かるはずだ。
 
 インターハイ予選、白熱のPK戦を制した彼女たちは開口一番、「やったぁ~!」と大声で喜びを示した。初のインターハイでの精華旋風に、期待が高まる。
 
取材・文・写真:吉村憲文(サッカーライター)
 
※『週刊サッカーダイジェスト』8月5日号 84-85ページより抜粋。
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