【セルジオ越後の天国と地獄】日本サッカーの強化にはJリーグの改革も必要だ

カテゴリ:特集

週刊サッカーダイジェスト編集部

2014年07月24日

スタイルだけ真似てもドイツにはなれない。

24年ぶりの頂点に立ったドイツは、主将のラームが代表引退を表明するなど、過渡期を迎えてもいる。 (C) Getty Images

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 ドイツが優勝した今回のワールドカップを振り返ると、スーパースターが不在でも世界のトップに行けることが証明されたね。フィジカルを強化し、組織をしっかり固めれば良い勝負ができる。それは優勝したドイツだけでなく、ベスト8に進出したコスタリカやベスト16のチリ、アメリカが実証してみせた。
 
 逆に言えば、スーパースターが個人で試合を決めるのが難しくなっているということだろう。メッシのアルゼンチンしかり、ネイマールのブラジルしかり。彼らの活躍だけでは、勝てない時代になったんだ。
 
 良いGKを抱えたチームが勝ち上がったのも、今大会の特徴だ。先に挙げたコスタリカは、ナバスが驚異的なセービングを見せていたし、アメリカのハワードは1試合で16セーブというワールドカップ記録を打ち立てた。もちろん、優勝したドイツもノイアーが圧倒的な存在感を見せ、幾度もピンチを救っていたね。
 
 おそらく、これから世界のサッカーシーンは、ドイツをひとつのモデルとして動いていくんだろう。ただ、ドイツは90年のイタリア大会から再び優勝するまでに24年かかったんだ。それを忘れてはいけないよ。育成年代のシステムを見直し、長期的な視野に立って強化を続けてきたから結果が出た。場当たり的にサッカースタイルだけを真似ても、彼らのようにはなれないんだ。
 
 とはいえ、そのドイツも主将のラームが代表引退を表明するなど、世代交代の波が来ているのも確かだからね。決勝でゴールを挙げたゲッツェのような若い選手が育っているとはいえ、これからチームがどう変わっていくのかは見ものだよ。
 
 南米開催ということで、アメリカ大陸のチームが健闘した一方、アフリカとアジアは厳しい現実を突きつけられたよね。特にアジアは1勝もできず、4チームすべてがグループリーグ敗退だ。これは日本だけでなく、アジア全体の成長が滞っている証拠。欧州や南米との力の差が開いている事実を受け止め、長期的な視点で強化する必要があるね。
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