新生ガンバで指揮官ツネが明快にしたかった色──それが秘蔵っ子の“ヤン”だった

カテゴリ:Jリーグ

川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

2018年07月29日

近未来の最大目標であるU-21代表入り、そして東京五輪へ!

みずから仕掛けてゴールを陥れるほど、攻撃センスも抜群。高はどこかリーズの井手口を彷彿させる、ボックス・トゥ・ボックス型だ。写真:川本学

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 デビュー戦では攻撃を自重したが、本来は矢継ぎ早なフリーランからゴールまで陥れるセンスの持ち主だ。攻守両面で高質なプレーを保証するボックス・トゥ・ボックス型。現在リーズ・ユナイテッドに所属する日本代表MF井手口に似たタイプである。ボランチでコンビを組んだヤットは、「簡単にはたいてくれるから、俺としてはやりやすい。初めて組んでみて、手探りではあったけどお互いに良い感触は掴めたかな。もっとスムーズにやっていけると思う」と手応えを口にした。
 
 とはいえまだ1試合、90分間出場したのみである。なにより、結果が出ていない。
 
「チーム全体としてやるべきことは分かってましたし、守備の強度が(J3からJ1で)上がるというところでどうなるのかなと思ってましたけど、しっかりやれた部分があった。ずっとスタンドの上から観てて、もし自分が出たらこうしようと考えていた部分も出せたのかなと思います。勝ち切れなかったのは明らかな課題として受け止めつつ、自分がすべきことをまずやり遂げたい。それでヤットさんに前に出てもらって、自分も攻撃のところで貢献していけたらいい。いまはなにを置いても、もっともっと、試合に出たいです」

 
 あえて「いつから守備的な選手になったの?」と茶化すと、ヤンは「気づいたらこうなっていました」と、おなかをさすりながら笑った。
 
 プロになってついに掴んだ飛躍のとき。二人三脚で少しずつ階段をのぼってきた恩師の下で、新生ガンバの旗頭となれるか。そして近未来の最大目標であるU-21代表入り、東京オリンピック出場に名乗りを上げるか。
 
 ヤンの本当の戦いは、まだ始まったばかりだ。
 
取材・文●川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)
 
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