守備力が劇的に向上したことがきっかけに。
昨年末、わずか3ゴールに終わったリーグ前半戦を振り返ってもらった時、堂安はこう語っていた。
「この半年どうだったんだろうと、今朝計算してみたら出場時間は(カップ戦も含めて)約1100分ありました。1000分以上も出れたのは良かった。自分のような若い年齢でフローニンヘンを選んだのは、試合に出ること、そして高い強度の中でプレーするという理由があった。そういう意味では、意図した通りの前半戦だった。後半戦に向けて良いアップができました!」
いまから思えば、前半戦の堂安は良い時と悪い時の差がハッキリし、監督としては使いづらい時期もあったはずだ。しかし、後半戦は守備が劇的に向上し、仮に攻撃面で冴えなくても、守備面でチームに貢献できる選手になった。
メガクラブも垂涎のポテンシャルを持つ若手アタッカーに守備力が付けば、監督としては、「出来が悪くても、ピッチに残したくなる」というのが必然だ。それがチームからの信頼となり、堂安の自信につながり、後半戦だけで6ゴールを固め取りする源となった。
エールディビジで33試合中、28試合に出場し、9ゴール・4アシストを記録した今シーズンの堂安。その出場時間2205分も、海外1年目の19歳にとっては手応え十分な“結果”だった。
取材・文●中田徹