日本はロシア・ワールドカップで戦うポーランドの仮想敵としてウクライナと対戦しただけに、この日の敗戦が、本大会での戦い不安を感じさせたことは否定できないだろう。
 
　だが、だからこそ気になるのは、同日にポーランドと対戦した韓国の経験だ。試合は韓国が２－３で敗れたが、ソ・ホジョン記者は韓国対ポーランド戦には、日本にとってヒントとなることもあったのではないかと語る。
 
「ポーランドは、ウクライナよりも戦術的に柔軟で、レバンドフスキだけに依存するチームではありません。ドイツやイタリアなどのトップチームでプレーする選手たちのフィジカルの強さに、韓国は苦戦を強いられました。レバンドフスキにばかり意識を集中すると、他の選手にチャンスを与えることになるでしょう。
 
　ただ、ポーランドの守備には隙があると感じました。韓国が後半にラインを上げて前線からプレスをかけ、相手のミスを誘発してふたつのゴールを挙げたことは、日本にとっても貴重なヒントになるのではないでしょうか」

　ベルギー遠征を１分1敗と苦い結果で終えた日本。韓国も同時期に行なわれた欧州遠征で北アイルランド、ポーランドに２連敗を喫しただけに、「韓国も日本も同病相憐」（『Newsen』）などとロシア・ワールドカップでの両国の戦いを憂慮する韓国メディアもあったが、ハリル・ジャパンは本番までの限られた時間にチームを立て直すことができるか。
 
取材・文●慎武宏（スポーツライター）
 
シン・ムグァン／1971年、東京都生まれ。韓国サッカー取材歴20年。近著に歴代コリアンＪリーガーへのインタビュー集『イルボン（日本）はライバルか 韓国人Ｊリーガー28人の本音』（ピッチコミュニケーションズ）。


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