「ウクライナの強みを日本がまったくといっていいほど抑えられなかったため、厳しい試合展開になったのではないでしょうか。コノプリャンカを中心としたサイド攻撃やセカンドボールを拾った後のパワフルな攻撃に対し、日本の組織的な対応がほどんど見られなかったのが残念です」
 
　そうした問題がふたつの失点につながったのではないかというのがソ・ホジョン記者の見立てだが、特に69分にコノプリャンカのグラウンダークロスからカラバエフに決められた勝ち越し弾は重く受け止めるべきだと話す。
 
「最初の失点は、それほど大きな問題ではないでしょう。相手にスペースを与えすぎたことが原因でしたが、こうしたミスは選手の考え方さえ変われば防げます。
 
　ですが、ふたつ目の失点はよくなかった。コノプリャンカの素早い突破に守備が完全に崩されていたし、ゴール前の相手の動きもまったく把握できていなかった。取られるべくして取られた失点だったのではないでしょうか」
 
　ただ、それでもこの日の試合で活躍が光った選手もいたとソ・ホジョン記者は評価する。
 

「同点弾を生んだ柴崎岳と槙野智章は印象的でした。柴崎のキックも素晴らしかったし、槙野の動きも鋭かった。ヘディングも見事でした。ロシア・ワールドカップで日本をはじめアジアのチームが目指すべき、得点モデルのひとつだったと思います。
 
　それから、今回初招集された中島翔哉。マリ戦でのデビューゴールも印象に残りましたが、この２連戦では、ポルトガル・リーグでの優れたパフォーマンスを代表でも見せていたのではないでしょうか。中島は、ロシア・ワールドカップでゲームの流れを変える“ジョーカー”になるかもしれませんね」
 
　どうしても聞きたかったのは、本田圭佑の評価だ。約６か月ぶりに代表に復帰し、マリ戦では後半交代出場、ウクライナ戦はスタメン出場したが、韓国記者の目に本田のプレーはどう映ったのか。
 
「日本は31歳の選手に期待をかけすぎではないでしょうか。南アフリカ・ワールドカップで見せたような姿をロシアで見ることは難しいでしょう。今もパスやキックの精度は高いですが、フィジカル面は確実に衰えているように見えます。交代出場だったマリ戦では目立ちませんでしたが、スタメン出場したウクライナ戦では本田のリアルな現状がはっきりと表れていたと思います」