ミシャ流への挑戦――超攻撃的スタイルが“北海道のサッカー観”を変える?

カテゴリ:Jリーグ

中村真大

2018年02月03日

練習試合でも見られた、これまでにない攻撃の厚み。

キャンプでは精力的に動き、声を出して選手たちの指導にあたる。開幕戦は、ペトロヴィッチ監督の古巣・広島との対戦だ。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 FW都倉賢が「身体よりも頭の方が疲れる」と言うように、より複雑になったミシャ戦術の練習の中では、頭の中の疲労度も相当高いようだ。監督が交代したことでレギュラー奪取のサバイバルも本格化。運動量の多いミシャサッカーで開幕スタメンを目指す選手たちは、例年よりハイペースで走り続けながら、今シーズンを戦う上での「サッカー脳」も鍛えているようだ。
 
 久々に現場で指導するペトロヴィッチ監督も、より早く戦術を浸透させるため、連日大声で叫び続ける。練習後の囲み取材では、もうこれ以上声が出ないんじゃないかというほど喉は枯れ、カラカラになっていた。声は枯れてもサッカーに対する情熱は決して衰えないのが同監督。選手たちもその気持ちに引っ張られるように、より前へ、前へと自然と身体が攻撃的にゴールに向かっていくようであったし、そのようなチームの好循環が生まれていると感じられた。
 
 日々の練習の中でも昨年との違いはすぐに表われた。ワンタッチパスでのゴール前の崩しや、両ストッパーやボランチがゴール前に顔を出して、シュートすることなども当たり前の光景となった。昨季までは、3バック左のDF福森晃斗が攻撃時にゴール前まで攻め上がった際に、他の2人はリスクマネジメントをしながら相手のカウンターに備えることが多かったが、攻撃時に下がるボランチ1枚のおかげで、CB3人のバランスはより攻撃的となった。
 
 初実戦となった長崎との練習試合では、3バック右に入ったMF菊地直哉が、エリア内で放たれたFW宮吉拓実のシュートに反応し、ポストに弾かれたところを再びシュートに走り込むなど、これまでにない攻撃の厚みを見せていた。
 
 ミシャ流という新しいメソッドへの挑戦――。全体を通しては、全員がサッカーに初めて触れた時のような初期衝動で、肉体的な疲労も忘れ、サッカーにのめり込み、没頭しているようにも見えた。全員で攻撃し、全員で守るというサッカーの本質を楽しみ、有機的な化学反応を起こしながら、必ずや成長した姿を開幕戦で見せてくれることだろう。
 
 まずは2月24日。J1開幕戦でいきなりの古巣対決となる広島戦で、ミシャが何を見せてくれるのか。「これまで見たこともない景色」を我々に見せるべく、新生コンサドーレが新たな冒険のはじまりに挑む。
 
取材・文●中村真大
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