左サイドの「動力源」がまさかの長期離脱…。
これは2シーズンの積み上げを経た戦術的完成度の高まりに加えて、ピオトル・ジエリンスキ、アマドゥ・ディアワラ、マルコ・ログ、ヴラド・キリケシュといった控え組の成長で、多少のターンオーバーでもチームの戦力レベルが落ちなくなったこと、チームとして経験を積み重ねて成熟し、困難な状況に置かれてもメンタル的に崩れなくなったことなどが理由だろう。
スクデットを勝ち取るためには、この勢いをコンスタントに保ち、あと半年間、大きなスランプの時期を作ることなく戦い切る必要がある。サッリ監督1年目は勝点82(2位)、昨シーズンは勝点86(3位)とチームとしての安定性、継続性は着実に高まってきた。そこにさらなる上積みが期待できること、さらにここまで6連覇のユベントスにやや疲弊が見られることを考え合わせると、今シーズンがスクデットを狙うビッグチャンスであることは確かだ。
当面の大きな気掛かりは、マンチェスター・C戦で左サイドの「動力源」として際立った活躍を見せてきたグランが、前十字靭帯断裂の大怪我を負ったこと。全治4~5か月と言われており、最悪の場合は今シーズン中の復帰が難しいかもしれない。
左SBの控えであるマリオ・ルイはエンポリ時代にサッリの下でプレーしていたが、膝の怪我から復帰したばかりで即戦力になるかどうか未知数。マンチェスター・Cでグランが退いてからと同じく、エルサイド・ヒサイを左に回し、クリスティアン・マッジョを右に入れる形が今後の基本形になるか。
この難局をサッリとナポリはどう乗り切るのか。まずは週末のキエーボ戦(11月5日のセリエA12節)に注目したい。
文:片野道郎
【著者プロフィール】
1962年生まれ、宮城県仙台市出身。1995年からイタリア北部のアレッサンドリアに在住し、翻訳家兼ジャーナリストとして精力的に活動中だ。カルチョを文化として捉え、その営みを巡ってのフィールドワークを継続発展させている。『ワールドサッカーダイジェスト』誌では現役監督とのコラボレーションによる戦術解説や選手分析が好評を博す。ジョバンニ・ビオ氏との共著『元ACミラン専門コーチのセットプレー最先端理論』が2017年2月に刊行された。
スクデットを勝ち取るためには、この勢いをコンスタントに保ち、あと半年間、大きなスランプの時期を作ることなく戦い切る必要がある。サッリ監督1年目は勝点82(2位)、昨シーズンは勝点86(3位)とチームとしての安定性、継続性は着実に高まってきた。そこにさらなる上積みが期待できること、さらにここまで6連覇のユベントスにやや疲弊が見られることを考え合わせると、今シーズンがスクデットを狙うビッグチャンスであることは確かだ。
当面の大きな気掛かりは、マンチェスター・C戦で左サイドの「動力源」として際立った活躍を見せてきたグランが、前十字靭帯断裂の大怪我を負ったこと。全治4~5か月と言われており、最悪の場合は今シーズン中の復帰が難しいかもしれない。
左SBの控えであるマリオ・ルイはエンポリ時代にサッリの下でプレーしていたが、膝の怪我から復帰したばかりで即戦力になるかどうか未知数。マンチェスター・Cでグランが退いてからと同じく、エルサイド・ヒサイを左に回し、クリスティアン・マッジョを右に入れる形が今後の基本形になるか。
この難局をサッリとナポリはどう乗り切るのか。まずは週末のキエーボ戦(11月5日のセリエA12節)に注目したい。
文:片野道郎
【著者プロフィール】
1962年生まれ、宮城県仙台市出身。1995年からイタリア北部のアレッサンドリアに在住し、翻訳家兼ジャーナリストとして精力的に活動中だ。カルチョを文化として捉え、その営みを巡ってのフィールドワークを継続発展させている。『ワールドサッカーダイジェスト』誌では現役監督とのコラボレーションによる戦術解説や選手分析が好評を博す。ジョバンニ・ビオ氏との共著『元ACミラン専門コーチのセットプレー最先端理論』が2017年2月に刊行された。