【現地発】識者が語る「監督ジダン」の凄み。采配100試合で7タイトルはなぜ可能に?

カテゴリ:メガクラブ

エル・パイス紙

2017年10月19日

マドリーでは数少ない長期政権を築く監督に?

個性派揃いのチームを見事にまとめ上げるジダン。その威光とマネジメン能力は特筆に値する。(C)Getty Images

画像を見る

 監督としてのジダンは、こうした求心力や統率力が評価される一方で、戦術家としての側面にスポットライトが当たる機会は少ない。しかしアマンシオは、「確かに典型的な戦術家ではない。試合中に身振り手振りを交えて大声で指示を出すようなこともしないしね。しかし、選手交代を含めた用兵面でも随所に優れたところを見せている」と異を唱える。
 
 マドリーの長い歴史の中で、長期政権を築いた監督は極めて少ない。もっとも長期に渡って監督を務めたのがミゲル・ムニョス(1960~1974年)だ。最近20年間でもっとも長期かつ安定政権を築いたのが、ジダンも師事したビセンテ・デル・ボスケ(1999~2003年)だった。ジダンが2020年までの現行契約を全うすれば、チームを長期間率いた指揮官としてもクラブの歴史にその名を刻むことになる。
 
 ジダンを称賛する識者たちが口を揃えるのは、マドリーとのマッチングの良さだ。この世界最強クラブには「強烈に自らを誇示するリーダーシップ型よりも、選手たちとの対話やチームの雰囲気作りを重視する調整型ほうがクラブのフィロソフィーにマッチする」という定説があるのだ。
 
 イエロが「マドリーにはまずクラブ、そして選手ありきという考え方がある。監督は常に影に隠れた存在だった」と語れば、アマンシオも「ミゲル・ムニョス、ビセンテ(デル・ボスケ)、アンチェロッティ、そしてジダン。みんな同じタイプに分類できる」と同調する。
 
 就任からわずか1年半で7つのタイトルを獲得し、周囲に称賛の声が飛び交う中でも、ジダンは飽くなき向上心を失うことなく監督業に邁進し続けている。今後もマドリーにさらなる常勝をもたらすことができれば、その名声はさらに高まっていくことだろう。
 
文:パブロ・ペレス(エル・パイス紙)
翻訳:下村正幸
※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。
 

リーガ・エスパニョーラの放送15年目となるWOWOWは今季も充実の番組ラインナップでお届けする。乾&柴崎の現地レポや最新情報も発信する「WOWOW リーガ」の見どころはこちら。 写真:アフロ、Getty Images

画像を見る

【関連記事】
【現地発】ベイルは終わってしまうのか? W杯を逃し、マドリーでも立場が…
【現地発】「メッシの本質」は自然体にあり。愛息子の言葉が何よりの源だ
メルテンス妻が超大胆発言!「ベッドではエキセントリック」「列車のトイレで…」
CL最年少出場で「決勝点をプレゼント」…ベンフィカ守護神がそれでも大物感を漂わせる
CLで超快足スイス人FWが大暴れ! R・マドリーも熱視線を送る

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ