マドリーでは数少ない長期政権を築く監督に?
監督としてのジダンは、こうした求心力や統率力が評価される一方で、戦術家としての側面にスポットライトが当たる機会は少ない。しかしアマンシオは、「確かに典型的な戦術家ではない。試合中に身振り手振りを交えて大声で指示を出すようなこともしないしね。しかし、選手交代を含めた用兵面でも随所に優れたところを見せている」と異を唱える。
マドリーの長い歴史の中で、長期政権を築いた監督は極めて少ない。もっとも長期に渡って監督を務めたのがミゲル・ムニョス(1960~1974年)だ。最近20年間でもっとも長期かつ安定政権を築いたのが、ジダンも師事したビセンテ・デル・ボスケ(1999~2003年)だった。ジダンが2020年までの現行契約を全うすれば、チームを長期間率いた指揮官としてもクラブの歴史にその名を刻むことになる。
ジダンを称賛する識者たちが口を揃えるのは、マドリーとのマッチングの良さだ。この世界最強クラブには「強烈に自らを誇示するリーダーシップ型よりも、選手たちとの対話やチームの雰囲気作りを重視する調整型ほうがクラブのフィロソフィーにマッチする」という定説があるのだ。
イエロが「マドリーにはまずクラブ、そして選手ありきという考え方がある。監督は常に影に隠れた存在だった」と語れば、アマンシオも「ミゲル・ムニョス、ビセンテ(デル・ボスケ)、アンチェロッティ、そしてジダン。みんな同じタイプに分類できる」と同調する。
就任からわずか1年半で7つのタイトルを獲得し、周囲に称賛の声が飛び交う中でも、ジダンは飽くなき向上心を失うことなく監督業に邁進し続けている。今後もマドリーにさらなる常勝をもたらすことができれば、その名声はさらに高まっていくことだろう。
文:パブロ・ペレス(エル・パイス紙)
翻訳:下村正幸
※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。
マドリーの長い歴史の中で、長期政権を築いた監督は極めて少ない。もっとも長期に渡って監督を務めたのがミゲル・ムニョス(1960~1974年)だ。最近20年間でもっとも長期かつ安定政権を築いたのが、ジダンも師事したビセンテ・デル・ボスケ(1999~2003年)だった。ジダンが2020年までの現行契約を全うすれば、チームを長期間率いた指揮官としてもクラブの歴史にその名を刻むことになる。
ジダンを称賛する識者たちが口を揃えるのは、マドリーとのマッチングの良さだ。この世界最強クラブには「強烈に自らを誇示するリーダーシップ型よりも、選手たちとの対話やチームの雰囲気作りを重視する調整型ほうがクラブのフィロソフィーにマッチする」という定説があるのだ。
イエロが「マドリーにはまずクラブ、そして選手ありきという考え方がある。監督は常に影に隠れた存在だった」と語れば、アマンシオも「ミゲル・ムニョス、ビセンテ(デル・ボスケ)、アンチェロッティ、そしてジダン。みんな同じタイプに分類できる」と同調する。
就任からわずか1年半で7つのタイトルを獲得し、周囲に称賛の声が飛び交う中でも、ジダンは飽くなき向上心を失うことなく監督業に邁進し続けている。今後もマドリーにさらなる常勝をもたらすことができれば、その名声はさらに高まっていくことだろう。
文:パブロ・ペレス(エル・パイス紙)
翻訳:下村正幸
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