【現地発】識者が語る「監督ジダン」の凄み。采配100試合で7タイトルはなぜ可能に?

カテゴリ:メガクラブ

エル・パイス紙

2017年10月19日

現役時代を知るイエロは意外な印象を語る。

13-14シーズンは名将アンチェロッティ(左)のアシスタントを務める。これがジダン(右)の指導者キャリアにとって大きな経験になった。写真:Rafa HUERTA

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 現役時代にマドリーのキャプテン兼ディフェンスリーダーとして活躍し、ジダンとも一緒に戦った経験があるフェルナンド・イエロは、そんな元チームメイトを意外にもこう評する。
 
「監督としての資質や素養を、選手時代から垣間見せるチームメイトを何人も見てきた。でも、ジダンにはそうした器を感じることはなかった。現役当時に今のジダンの姿を想像するのは難しかった」
 
 一方、前述したグラスゴーでのCL決勝でGKとしてスタメン出場を果たし、ピッチから伝説のボレーシュートを目撃したセサル・サンチェスは、イエロとはやや異なった見方をする。
 
「たぶん潜在的なものは隠し持っていたんだと思うよ。でも、それを周囲にひけらかすことはなかった。現役を引退したあとに自分の将来をじっくり見つめなおした時に、監督としての道を真剣に志したのだろう」
 
 ジダンはもともと口数が多いタイプではない。むしろ内向的と言えるほどで、トップチーム監督就任時はその点が懸念されてもいた。
 
 しかしイエロとセサルは、その部分に関しては心配していなかったという。2人ともジダンが潜在的なコミュニケ―ション能力の持ち主であると口を揃える。
 
「現役時代からジダンは闘志を内に秘めたタイプだった。何かを成し遂げるためには、必ずそれをやり遂げるための強い意志と実行力を持っている。周囲に模範を示すことができる選手だった」(イエロ)
 
「今のジダンの姿を見て驚いている人が多いけど、現役時代の彼を知る我々からすれば何ら驚きはない。口数は多くないけど、彼が発する言葉の一つひとつには強いメッセージ性と重みがある。それが監督として最も重要な能力の1つでもある」(セサル)
 
 イエロが着目するのは、ジダンが持つ監督としての威光だ。
 
「よく大げさなジェスチャーを見せる監督がいる。あれは周囲に自分の存在をアピールしている部分もあるんだ。でも、ジダンにはそんな必要性が全くない。もちろん選手時代の威光だけで、マドリーの監督を務めているわけではない。ジダンが偉大な監督だという事実が全ての前提としてある」
 
 セサルもイエロの意見に追随する。
 
「ジダンが持っている威光は選手時代に培ったものだけではない。監督を経験する中で威光、すなわち求心力が確実に高まっている。記者会見で口にする一つひとつの発言、良好な雰囲気作り、好不調時に応じて講じる適切なチームマネジメント、積極的なローテーション制の導入、選手たちのモチベーションの喚起、そうした様々な場面の中で数々の決断を下すことで自らがチームの設計者であることを周囲に認めさせていったんだ。ジダンは監督としてもマドリーの歴史を作り続けている」
 
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