プロ9年目で掴んだ主力の座。元日本代表の山田直輝が今ようやく湘南で輝き始めたワケ

カテゴリ:Jリーグ

佐藤亮太

2017年07月10日

湘南だからこそ、たどり着けた答え。

山田は今季20試合に出場し、1ゴールをマーク。自動昇格を目指す湘南の押しも押されもせぬ主力選手だ。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 湘南加入当初、周囲は山田直輝ならば、すぐに起用され、中心選手になれると期待した。湘南加入前の14年秋頃には、曺監督は当時、浦和に在籍していた山田の名前を出し、湘南のスタイルに合うとも話していた。
 
 しかし山田に大きな怪我はなかったにもかかわらず、湘南加入後も曺監督から継続的に起用されなかった、いや、指揮官としては使いたくても使えなかったと言ったほうが正しいかもしれない。
 
 そして、山田が湘南に来て、たどり着いた答え――。フォア・ザ・チーム。滅私奉公。
 
 湘南だからこそ、たどり着けた答えだった。
 
 加入当初から、曺監督とは何度も話し合いを重ねてきた。プレー同様、頑固な性格からか、理解し納得するまでに、丸2シーズンかかったが、この間の意識の変化には曺監督の指導だけでなく、脳裏に焼き付いている浦和時代の先輩たちのプレーが大きく影響した。
 
「ツボさん(湘南・坪井慶介)も啓太さん(元浦和・鈴木啓太氏)もヒラさん(浦和・平川忠亮)も、たとえ途中から試合に出ても、絶対に一定以上のプレーができ、計算できるプレーができ、出ても最悪にはならないプレーをしていた。そうした選手のほうが使われるだろうと思ってはいた。湘南に来て、なかなか使われない時、自分で意識を変えなければと気付いたんです」
 
 馬入グラウンドの青々とした芝を前に、山田は先輩たちの姿に思いを馳せ、そう語った。
 
――◆――◆――
 
「今年ほど、自分でも楽しみなシーズンはないですよ」
 
 開幕直前に抱いた予感通りの活躍。これを人は“復活”と言うかもしれない。しかし、活躍した時期は強いてあげれば、2011年秋、ゼリコ・ペトロヴィッチ監督解任後、就任した堀孝史監督のもとで迎えたナビスコカップ決勝と、その前後しかない。
 
 つまり、山田はプロ9年目にして初めて、チームに欠かせない主力選手となったのだ。
 
「チームに対して納得できるほど貢献できていない。“まだまだやれる”というより、“まだまだやらなければならないことがある”そう思うんです」。
 
 7月4日、山田直輝は誕生日を迎えた。27歳のサッカー小僧が自分のために、そしてチームのために、ピッチを駆けめぐる。
 
取材・文:佐藤亮太(レッズプレス!!)
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