英サッカー専門誌の熟練記者は「ACL暴行事件」をどう捉え、どう切り取るのか

カテゴリ:国際大会

マイケル・プラストウ

2017年06月09日

スポーツの世界で遺恨を残してはいけない。

ときにチームに勝利を呼び込む浦和サポーター。済州の選手たちはその迫力に圧倒されたのかもしれない。(C)SOCCER DIGEST

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 サッカーは戦争だとよく言われる。と同時に、国際的な平和や親睦、友情を深めるスポーツでもある。レッズと済州の間には、どうしてもわだかまりが残るだろう。だがわたしはやはり、最終的には手を取り合ってほしいと願う。
 
 そんななか、あるニュースを聞いた。ペク・ドンギュがみずから浦和を訪れ、阿部に謝罪したいと申し出たという。もし本当ならこれは歓迎すべきことで、またとないチャンスではないか。蛮行は許されない。処罰は処罰。だが、スポーツの世界で遺恨を残してはいけない。
 
 今年の2月12日、レッズは「さいたまシティカップ」にFCソウルを招待し、駒場スタジアムで戦った。昨シーズンのACLラウンド・オブ16で、レッズが敗れた相手だ。同じように、来年の「さいたまシティカップ」に済州が招かれたとしたらどうだろうか。あくまで私個人のアイデアだが、ともに空間を享受して親睦を深められれば、日韓関係にも良い影響をもたらすはずだ。もちろん、空想の域を出ない話だが。
 
 激しくぶつかり合ったあとに、固い握手を交わし、友情を深める。それもまた、サッカーの真理、美しさだと、わたしは信じる。

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著者プロフィール
マイケル・プラストウ/1959年、英国のサセックス州出身。80年に初来日し、91年からは英国の老舗サッカー専門誌『ワールドサッカー』の日本担当となり、現在に至る。日本代表やJリーグのみならず、アジアカップやACLも精力的に取材し、アジアを幅広くカバー。常に第一線で活躍してきた名物記者だ。ケンブリッジ大学卒。
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