インサイドハーフやボランチは難しいという評価。
その理由として明白なものがある。本田のフィジカルと運動能力、つまり反射神経と瞬発力の不足だ。インテンシティーの高いモダンフットボールにおいて極めて重要なそのクオリティーが本田には欠けており、だからモンテッラも信頼を寄せられずにいるのだ。
もちろん本田が優れたテクニックの持ち主であることはモンテッラも十分に分かっているし、持久力においてもミランの中でトップグループに入る。守備もよくこなす。
問題はスピードとスタートダッシュだ。電光石火で走り上がり攻撃に数的優勢を作り上げることが、本田にはたしかにできない。インサイドハーフはサイドバックなどと並び、かなり頻繁な縦の上下動の動きが要求される。だからモンテッラは本田をここに置かないのだ。
思い起こせば、クラレンス・セードルフ、フィリッポ・インザーギ、シニシャ・ミハイロビッチ、クリスティアン・ブロッキという過去の指揮官たちも同じだった。彼らも本田をトップ下、ウイング、サイドハーフなどで起用したものの、インサイドハーフでは一度として試そうとすらしなかった。
セントラルMFも同様だ。アンカーでもダブルボランチの一角でもまったく使われてこなかった。これに関しては、ラストパスはともかく、ビルドアップを円滑にするパスワークや戦術眼が不足しているからだろう。
つまり本田は、セリエAの監督の目には「MF」ではなく「FW」に映っているのだろう(イタリアではトップ下はMFではなくFWと見なされるのが一般的)。サイドハーフはなんとかこなすが、インサイドハーフやセントラルMFでは使い物にならないと。
ソサは疲れが溜まってきて不調なうえ、モントリーボは怪我から戻って来たばかりだし、マヌエル・ロカテッリは一時期の勢いを失った。しかしそれでも、モンテッラが本田を使わない理由は、まさにそこにあるのだ。
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト紙)
翻訳:利根川晶子
【著者プロフィール】
Marco PASOTTO(マルコ・パソット)/1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動を始める。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。
もちろん本田が優れたテクニックの持ち主であることはモンテッラも十分に分かっているし、持久力においてもミランの中でトップグループに入る。守備もよくこなす。
問題はスピードとスタートダッシュだ。電光石火で走り上がり攻撃に数的優勢を作り上げることが、本田にはたしかにできない。インサイドハーフはサイドバックなどと並び、かなり頻繁な縦の上下動の動きが要求される。だからモンテッラは本田をここに置かないのだ。
思い起こせば、クラレンス・セードルフ、フィリッポ・インザーギ、シニシャ・ミハイロビッチ、クリスティアン・ブロッキという過去の指揮官たちも同じだった。彼らも本田をトップ下、ウイング、サイドハーフなどで起用したものの、インサイドハーフでは一度として試そうとすらしなかった。
セントラルMFも同様だ。アンカーでもダブルボランチの一角でもまったく使われてこなかった。これに関しては、ラストパスはともかく、ビルドアップを円滑にするパスワークや戦術眼が不足しているからだろう。
つまり本田は、セリエAの監督の目には「MF」ではなく「FW」に映っているのだろう(イタリアではトップ下はMFではなくFWと見なされるのが一般的)。サイドハーフはなんとかこなすが、インサイドハーフやセントラルMFでは使い物にならないと。
ソサは疲れが溜まってきて不調なうえ、モントリーボは怪我から戻って来たばかりだし、マヌエル・ロカテッリは一時期の勢いを失った。しかしそれでも、モンテッラが本田を使わない理由は、まさにそこにあるのだ。
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト紙)
翻訳:利根川晶子
【著者プロフィール】
Marco PASOTTO(マルコ・パソット)/1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動を始める。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。