【黄金世代・復刻版】1999 ワールドユース激闘録~銀色の軌跡(後編)

カテゴリ:特集

サッカーダイジェストWeb編集部

2017年05月08日

スリリングな逃走劇。

左手前から山本昌邦コーチ、フィリップ・トルシエ監督、サミアコーチ。大会中も数々の“ドラマ”を生んだスタッフ陣だ。写真:ヤナガワゴッー!

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[準決勝:日本 2-1 ウルグアイ]
 
得点者:日=高原(23分)、永井(35分) ウ=チェバントン(24分)
 
出場メンバー:GK南/DF辻本、手島、中田/MF遠藤(46分・稲本→57分・石川)、酒井、本山(46分・加地)、小笠原、小野/FW高原、永井
 
スリリングな逃走劇
 
 日本が初の決勝進出を決めるか、あるいはウルグアイが2大会連続のファイナリストとなるか——。
 
 トルシエジャパンにとって最大の脅威となったのが、ブラジルを破って準決勝に進出してきたウルグアイの激しいディフェンスだ。ファウル覚悟の猛烈なチャージでボールを狩り、そこからチェバントン、リゲラ、フォルランらスピード自慢のアタッカー陣が切れ味鋭いカウンターを繰り出す。
 
 しかし日本は、プレッシャーなど微塵も感じさせることなく、これまで通りのパスワークで南米の強豪と対峙する。強烈なタックルを食らいながらも、カウンターを浴びながらも、日本は持ち前の組織と技でこれに対抗していった。
 
 均衡を破ったのは日本。23分、南米の強豪相手にも十分な効果を発揮していた本山のドリブルが炸裂し、左サイドを切り裂く。深く抉ってマイナスに折り返したパスに高原がダイレクトで合わせ、GKの股間を抜いた。
 
 ところがその1分後、ウルグアイにあっさり追いつかれる。リスタートの流れから中央にクロスを送られ、簡単にチェバントンに詰められた。日本DF陣のマーキングミスが招いた失点だ。
 
 一瞬、嫌なムードが漂ったものの、日本はひるまず、35分には抜け出した永井が巧みたフェイントからGKカリーニを破り、ふたたび勝ち越しに成功した。
 
 1点リードで後半を迎えた日本だったが、この45分間は、今大会でもっともタフな45分間となった。後半頭から2枚の交代カードを切ったが裏目に出て、運動量も極端に減った日本は、ウルグアイの前に防戦一方となるのだ。
 
 自陣で嵐が過ぎ去るのを待ち、ただひたすら耐え忍ぶ時間帯が続く。そしてロスタイム、最大のピンチが日本を襲う。ゴール前に飛び込んできたDFカノービョが至近距離から渾身の一撃。これをGK南が鮮やかにブロックし、日本のファイナル進出が決まった。
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