決勝で当たるマドリード勢はいずれも同タイプのチーム。
そのモナコを“順当に”下してカーディフで行われる決勝に駒を進めることができれば、相手はレアルかアトレティコ、マドリード勢のどちらか。両チームともにクオリティー、経験値のいずれにおいてもユーベに優るとも劣らない相手だが、かといって大きく見劣りするわけではない。
中立地での一発勝負というファイナルの特殊な状況は、準々決勝でバイエルンがマドリーに受けたようなホームアドバンテージの“被害”を受ける可能性が少ない分、ユーべにはむしろプラス材料になるかもしれない。
マドリーもアトレティコもリスクを冒して攻勢に出てくるよりは、むしろ試合の流れを慎重に見極めながら牙をむくタイミングを窺うしたたかさを備えているという意味で、ユーベと同タイプのチーム。現時点では勝敗の確率は50対50と言うしかないだろう。
いずれにしても確かなのは、ユーベには彼ら自身が言う通り、CLのタイトルを狙うに十分な資格と実力が備わっているということ。95-96シーズン以来21年ぶりとなるビッグイアー獲得、そしてクラブ史上初のトリプレッタ達成を成し遂げても、決してサプライズではない。
文:片野道郎
【著者プロフィール】
1962年生まれ、宮城県仙台市出身。1995年からイタリア北部のアレッサンドリアに在住し、翻訳家兼ジャーナリストとして精力的に活動中だ。カルチョを文化として捉え、その営みを巡ってのフィールドワークを継続発展させている。『ワールドサッカーダイジェスト』誌では現役監督とのコラボレーションによる戦術解説や選手分析が好評を博す。ジョバンニ・ビオ氏との共著『元ACミラン専門コーチのセットプレー最先端理論』が2017年2月に刊行された。
中立地での一発勝負というファイナルの特殊な状況は、準々決勝でバイエルンがマドリーに受けたようなホームアドバンテージの“被害”を受ける可能性が少ない分、ユーべにはむしろプラス材料になるかもしれない。
マドリーもアトレティコもリスクを冒して攻勢に出てくるよりは、むしろ試合の流れを慎重に見極めながら牙をむくタイミングを窺うしたたかさを備えているという意味で、ユーベと同タイプのチーム。現時点では勝敗の確率は50対50と言うしかないだろう。
いずれにしても確かなのは、ユーベには彼ら自身が言う通り、CLのタイトルを狙うに十分な資格と実力が備わっているということ。95-96シーズン以来21年ぶりとなるビッグイアー獲得、そしてクラブ史上初のトリプレッタ達成を成し遂げても、決してサプライズではない。
文:片野道郎
【著者プロフィール】
1962年生まれ、宮城県仙台市出身。1995年からイタリア北部のアレッサンドリアに在住し、翻訳家兼ジャーナリストとして精力的に活動中だ。カルチョを文化として捉え、その営みを巡ってのフィールドワークを継続発展させている。『ワールドサッカーダイジェスト』誌では現役監督とのコラボレーションによる戦術解説や選手分析が好評を博す。ジョバンニ・ビオ氏との共著『元ACミラン専門コーチのセットプレー最先端理論』が2017年2月に刊行された。