「ミラン育成改革」の舞台裏。ドンナルンマやロカテッリをどう輩出した?

カテゴリ:メガクラブ

片野道郎

2017年04月21日

トップチーム定着が期待される逸材は?

現プリマベーラでもっとも将来を嘱望されるのが、GKプリッザーリ(左)とFWクトローネ(右)だ。ともにイタリアのユース代表でも活躍中。(C)Getty Images

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 それ以降は、育成年代の強化戦略そのものを転換。10代後半の即戦力をスカウトするよりも、10代前半で潜在能力の高いタレントの卵を発掘し、モデッロ・ミランの下で7~8年かけて育て上げるというアプローチにシフトした。
 
 こうした取り組みが少しずつ成果を上げ始めたのが、ここ1~2年。09年に11歳で育成の名門アタランタから引き抜いた98年生まれのマヌエル・ロカテッリは、ガッリの下で本格的に教育を受けた「一期生」と呼べるかもしれない。
 
 そして彼に続きそうな素材が、まず17歳ながらすでに飛び級でプリマベーラ(U-19)の正GKを務め、イタリアU-19代表にも名を連ねるアレッサンドロ・プリッザーリ。さらにはU-15からU-19までの各年代のイタリア代表でレギュラーを張り、今シーズンはプリマベーラで20試合・18得点を記録している19歳のFWパトリック・クトローネだろう。
 
 ちなみに、いまやトップチームの不動の守護神となった18歳のジャンルイジ・ドンナルンマは、13年に14歳でナポリ近郊の育成クラブから引き抜いた選手で、下部組織にはわずか2年しか籍を置いていない。その意味ではロカテッリとは異なり、純粋なモデッロ・ミランの申し子とは言えないかもしれない。
 
 いずれにせよ、ガッリが育成部門のトップに就いてからまだ8年、モデッロ・ミランが本格的にスタートしてからは3年しか経っていない。本格的に結果が出るのは5年後、10年後の話だ。ミランは4月13日に中国資本に買収され補強に注目が集まっているが、育成の成果にも期待したい。
 
文:片野道郎
 
※『ワールドサッカーダイジェスト』2017年4月20日号より加筆・修正
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