「ミラン育成改革」の舞台裏。ドンナルンマやロカテッリをどう輩出した?

カテゴリ:メガクラブ

片野道郎

2017年04月21日

ボールポゼッションとパーソナリティーを重視する。

下部組織の総責任者を務めるガッリ。サッキ時代に活躍したOBだ。(C)Getty Images

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 12年には約400万ユーロ(約4億8000万円)を投じ、ミラノの南郊外にある育成センター、ヴィスマーラの施設をU-17以下の全育成年代のトレーニング拠点、さらには育成部門のヘッドクオーター(本部)として整備。翌13年からは、アヤックスやバルセロナを模範として、すべての年代に同じプレーコンセプトとプレーモデルを適用するとともに、トレーニングメソッドを共有して育てる「モデッロ・ミラン」(ミラン・モデル)と呼ばれる育成システムを本格的に導入した。
 
 ガッリはあるインタビューでこのモデッロ・ミランについて次のように説明している。
 
「バルセロナやアヤックスでは生え抜きの選手がトップチームの50%以上を占める。これらのクラブでは、育成部門の全年代を通じてひとつのコンセプトとプレー原則に基づく一貫した指導が行なわれている。我々のコンセプトはボールを支配し、試合の主導権を握って戦うこと。具体的にはボールポゼッション、スペースの占有、的確なタイミングとプレー選択がトレーニングのテーマになる。ボールを長い時間保持すれば、それだけミスをする確率が高まるから、ピッチ上で必ずしも結果につながるわけではない。しかし、こうしたアプローチを通して、選手たちはリスクに立ち向かい、的確な選択を行なう能力と、サン・シーロでも臆せずに積極的にボールプレーをするパーソナリティーを身につけられるはずだ。重要なのは、まさにそれだ。われわれの目的は試合で結果を出すことではなく、トップチームに1人でも多くの戦力を送り込むことなのだから」
 
 13年には、スタンダール・リエージュなどで育成部門のディレクターを務め、「コーギー・トレーニング」という独自のトレーニングメソッドを開発したミシェル・ブリュイニクス、さらにはそのパートナーでスタンダール、チャールトン、ブラックプール、メスなどの監督を歴任したジョゼ・リガを1年契約で招聘。そのメソッドを導入した。
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