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ベルルスコーニ・ミランの31年(後編)「アンチェロッティ時代の栄光、そして斜陽と終焉へ」

カテゴリ:メガクラブ

片野道郎

2017年04月18日

ベルルスコーニ家の業績不振が原因で…。

10-11シーズンのセリエA優勝の立役者となったイブラヒモビッチ(右)とT・シウバ(左)だが、2012年には赤字補填のためにパリSGにダブル売却された。(C)Getty Images

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 しかし、そんなミランにも斜陽の時代がやってくる。ベルルスコーニ家の持ち株会社『フィニンベスト』のトップを務めるベルルスコーニの長女マリーナが、民放TV局『メディアセット』、大手出版社『モンダドーリ』などグループ企業の業績不振による財政悪化を理由に、それまで年間数千万ユーロ単位で行ってきたミランへの赤字補填をストップすると宣言したのだ。
 
 それを認めざるを得ない立場に立たされたベルルスコーニは2009年夏、それまで何度も繰り返してきた「ミランは家族のようなクラブ。カネのために主力選手を手放すことは絶対にありえない」というポリシーを翻して、カカをレアル・マドリーに6800万ユーロ(約81億6000万円)で売却する決断を下す。その売却益はすべて、同シーズンの赤字の穴埋めに回された。
 
 それから現在までの7年間、独立採算による緊縮財政を強いられたミランは、それまでのように資金力に任せて即戦力のスター選手を獲得するという補強戦略から一転、他のメガクラブで主力を外れたベテランを移籍金ゼロ、あるいはレンタルで獲得するなど、半ば行き当たりばったりのやり繰りによって戦力レベルを維持することを強いられてきた。
 
 それでも10-11シーズンには、マッシミリアーノ・アッレグリ監督の下、ズラタン・イブラヒモビッチ、チアゴ・シウバ、ロビ―ニョ、ケビン=プリンス・ボアテングなどを擁して、今のところ最後となるスクデット獲得に成功している。
 
 だが、続く11-12シーズンを2位で終えた直後の2012年夏には、ベルルスコーニが公約を反故にする形でイブラヒモビッチとT・シウバを再び赤字補填のためにパリSGへダブル売却。これがダメ押しとなる形で、本格的な低迷への道を歩み始めることになる。
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