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ベルルスコーニ・ミランの31年(後編)「アンチェロッティ時代の栄光、そして斜陽と終焉へ」

カテゴリ:メガクラブ

片野道郎

2017年04月18日

ピルロを司令塔に抜擢して一時代を築く。

(右から)セードルフ、ピルロ、カカ、シェフチェンコはアンチェロッティ時代の主役として活躍した。(C)Getty Images

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 だが、この難題を「ピルロを中盤の底にコンバートする」というコロンブスの卵的な発想によって解決したことが、その後の6年間にわたる黄金時代を築く礎になったのだから、サッカーというのは分からないものである。
 
 元々はトレクアルティスタ(トップ下)で、卓越した戦術眼と高い技術、そして長短の精確なパスワークを備えたピルロをレジスタ(司令塔)としてチームのヘソに据えた4-3-2-1の「クリスマスツリー・システム」を採用し、優れたテクニックを備えた攻撃的なプレーヤーを数多くピッチに送ったことで、ミランはそれまでのイタリア・サッカーとは一線を画す、ボールポゼッションを重視したテクニカルな攻撃サッカーを確立した。
 
 その一方では、攻守のバランスを重視して組織的なディフェンスをないがしろにしないイタリア的なメンタリティーも保っており、戦術的な完成度の高さは他の追随を許さないレベルにあった。
 
 この新たなスタイルを引っ提げてヨーロッパの舞台に復活した02-03シーズンにミランは、準決勝でインテル、決勝ではユベントスを破って、8年ぶり6回目の欧州制覇を成し遂げた。
 
 その後も、カカ、アンドリー・シェフチェンコ、フィリッポ・インザーギ、エルナン・クレスポといったアタッカー陣、アレッサンドロ・ネスタ、マルディーニ、カフーに代表されるDF陣の活躍により、06-07まで6シーズンに渡ってCLベスト8以上、決勝進出3回、優勝2回という素晴らしい実績を残し、2000年代の欧州サッカーを代表するチームとして歴史に名を残すことになる。
 
 04-05シーズンの決勝で前半を3-0で折り返しながら、後半の6分間に3失点を喫して最後はPK戦で敗れた「イスタンブールの悲劇」、そして2年後の06-07シーズン決勝で同じリバプールにリベンジを果たした「アテネの復讐」など、記憶に残る試合は少なくない。
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